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「デザインあ」 [テレビのはなし]

すいません…またNHKの教育なんですが…
思わず15分間、見入ってしまった番組があったので
書いておこうかと。

「デザインあ」
http://www.nhk.or.jp/design-ah/

「こどもたちの未来をハッピーにする
 『デザイン的思考』を育てる番組」

だそうです。

この番組の監修は佐藤卓さん。
http://www.tsdo.jp/

明治「おいしい牛乳」やロッテの「クールミント」などなど
日本人なら誰でも手にしたことのある商品のパッケージデザインなどを
多くて手がけているグラフィックデザイナーの方です。

佐藤さんと言えば…「にほんごであそぼ」のアートディレクションもされてますね。
なので、今回の番組も…なんとなく自然の流れかなとも思います。
「ことば」の次は「かたち」かなと。

ちょっと電子的な音楽も気になって…
調べてみたら音楽を担当しているのは
コーネリアス
http://www.cornelius-sound.com/#
これまた驚きというか…「そうきましたか!」と思わずニヤリ。
ええ。私達と同世代の方々は渋谷系といった方が早いでしょうね。

さて、この番組は…そんな具合にいろいろと話題性もありますが…
子どもならず、大人も思わず見入ってしまう番組なのではないかと。
(注:参考に…我が甥っ子も、最初から最後まで集中して観ていたとは我が妹談)

とにかく、いろいろな切り口でデザインを見せてくれます。

最初に…

身近にあるモノに対する特徴を追求する「デザインの観察」

第一回は醤油差し。

「(醤油差しを)もつ」
「(空気穴を)ふさぐ」
「(醤油を)そそぐ」
「もとにもどす」
この一連の行為に付随するデザインの特徴を存分に魅せてくれます。

持つところがくびれていて人が持ちやすくなっていること。
空気穴をふさいだりすることで醤油を注ぐタイミングを調整できること。
注いだ醤油差しの醤油の出具合、そして戻した時に
その醤油差しに醤油が垂れてしまうもの、そうでないもの…

普段何気なく手にしているモノも
こうしてじっくり観察してみると…

「あ、あの醤油さしのあの角度って…もしかして凄く計算されている?」

身近なものを深く観る目が養われそうですね。


続いては…
「デッサンあ」
このコーナーは、ひとつのモノが中心に置かれているのですが…
それを囲むように子どもから大人まで、おのおの馴染みある
鉛筆、木炭などを手にして、イーゼルに紙を置き、デッサンをはじめます。

色々な方がデッサンしているので…もちろん描くもののタッチも違います。
(ちなみにこの中にラーメンズの片桐仁さんも。
 粘土と工作は得意だけど…と言われているようですが…素敵なデッサンですよ。
 はい。片桐さん、多摩美で版画を勉強されていたんです)
だけど…完成した絵を順番に観ていくと…
「ここを観て!凄く素敵でしょ?」と
それぞれ描いた人の鉛筆や木炭のトーンを通して
モノが語りかけてくるような感覚に。
そのせいでしょうか?

「モノがより立体的に見える」

そして…普段の自分の目を通して観るよりも、そのモノ自体が
味わい深く、あたたかく…なんとなく血が通ったものに観えてくるのが不思議。

ちなみに放送1回目はバイク(たぶんホンダのカブですね…あれ)
2回目は信楽焼のたぬきさんでした。

で、次のコーナーは…

「解散!」

第一回は袋入りのポテトチップスと、ひなあられ。
何が解散かというと…
とにかくスタートの合図よろしく笛の音と共に
勢いよく袋から次から次へとポテトチップスやあられが
出て来て、列をなして行進していき
最後にはきれいに整列しているので思わず「おぉ」っと声が出る。
そんなコーナー。
個人的に放送2回目の「果物」が圧巻でした。
柑橘類のあのつぶつぶまで解散(厳密に言うと「ほぐす」ですけど…)されて
現れた姿は…

「花火?」

その自然の造形物の美しさにハッとさせられます。

どうしても大人なので…
時々「あのぶどうの種の勢いよく出る動画が凄いわ」という思考も
まあそれはそれということで。

イラストを交えてコミカルにデザインの形の意味を教えてくれるのが…
「はせる」というコーナー
放送1回目は本はどうしてあの形になっているのかに
思いを馳せるのですが…(だから「はせる」なのかな?)
最初は絵巻物になって登場するのですが…
「読み返す時には大変!」
じゃあ、折りたためばコンパクトになるし、読み返せるじゃないか!
とそうなるのですが…
「風が吹いて元に戻るの図」
そうか!片側に細い紙を貼って固定したら風が吹いても安心じゃないか…って
「あ!このかたち!そんなに便利だったのか!」
と腑に落ちるというコーナーなのです。
このコーナーは、ちょっとした物語風になっているので
こどもさんにはすんなり入っていくのではないでしょうか?
そして「じゃあこれは?」と
身近なものへの探究心も駆り立てられるでしょうね。たぶん。

にしても…このコーナー。
2人の声のやりとりだけなのに…
これまた本当にカタチの意味の発見を
活き活きと伝えてくれるのがまた良いですね。
ヨーロッパ企画の本多 力さんと、山脇 唯さんが
声のみで素敵なやりとりを魅せてくれます。

最後に…

「デザインの人」

このコーナーでは、放送1回目には
工業デザイナーの深澤直人さんが登場。
その名の通り、身近なモノをデザインされた方々が登場するようです。

さて、深澤さんといえば…
±0の加湿器やauの携帯電話など素敵なデザインを手がけられていますね。
私も大好きなデザイナーさんです。

ご自身は、このコーナーの中で
「気に入っているデザインは何ですか?」という問いで
無印良品の「壁掛け式CDプレイヤー」(2000年)を紹介されていました。
このプレイヤーのできるまでについて語られた際
発想は換気扇から…という深澤さん。
「換気扇は紐を引っ張ると風が出ますが、これは紐を引くと音楽が流れます
 あるものを観て、別のものを考えるということがデザインの仕事でもあります」
と語ってくれます。

いつもデザインをする時に大切にしていることは?という問いには…
「みんなが知らず知らずのうちにやってしまうこと」だそう。
椅子は座るものですが、
ジャケットを自然にかけることもあります。
ですから、頭で考えるデザインと、
知らず知らずに実際に人間がやっていることが
違っているということがデザインの楽しさです、
と深澤さんは語っています。

デザインの心を磨くアドバイスをお願いしますという問いには
みんながついやってしまうことを探しましょうと答えてくれます。
それをヒントにデザインをしていくと良いと思います。
(例えば、傘をたてかける時に部屋の角にたてかけることなど。
 これは、角に置くことで傘が倒れないから。
 それが例えば傘立てを作る際にそのような皆が無意識に行うことに
 注意をすることで、それがヒントとなりデザインに活きてくるとのこと)

いやはや…素敵なやりとりが伺えて嬉しいですね。観ているこちらも。

現在のところ、毎週土曜日の朝7時(再放送は金曜午後3時45分から)から
15分間放送されていますが、
毎週新作が放送される訳ではなく、月に2本放送されるそうで
私も「うわっ、1回目見逃してしまった!」と思ってたのですが
結局3週目に1回目の放送が再放送されたので…
どちらもチェックできました。

まだご覧になられてない方はぜひ…
週末の朝になんとなく「ふふっ」と身近なモノへの
新しい発見の楽しさがわき上がる…そんな番組です。
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blue

このまえテレビ欄でタイトル見て、気になったんですよ。
やはり見るべきでしたね。。
次回から見ます!
by blue (2011-04-17 16:01) 

ユキヲ

>blueさんへ
コメントありがとうございます。
ピタゴラスイッチも内容の濃い15分ですが…
こちらもなかなか内容が濃いですよ。
blueさんならきっと観ていて嬉しくなってしまう番組かも…
ぜひ、今週は息子さんと一緒に楽しんで観てください。
個人的に…印刷関係の仕事をしているせいか…
「はせる」の製本のかたちの理由には
思わず「そうだよね…そうだよね…」と
やたら、うなずきながら観ていた私です(笑)
by ユキヲ (2011-04-17 23:05) 

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