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「あいちトリエンナーレ+α:Open Reel Ensemble(オープン リール アンサンブル)」 [芸術etcのはなし]

さて、TOCHKAさんのトリエンナーレスクールのことを書ききったので…
続いてはライブのお話を。

ライブというか…まあ、あいちトリエンナーレ的にくくれば
アートなので「パフォーミングアーツ」ですね。
でも、私個人としてはライブだな…それもとても刺激的な。
で、誰のパフォーミングアーツを観たかといいますと…

Open Reel Ensemble(オープン リール アンサンブル)
http://aichitriennale.jp/artists/performing-arts/open-reel-ensemble.html

Open Reel Ensembleとは、2009 年より和田永さんを中心として、
佐藤公俊さん、 吉田悠さん、難波卓己さん、吉田匡さんで活動をしているグループで
オープンリール式のテープレコーダーを改造し、
「楽器」として演奏するという手法でライブ活動をされています。

公式HP:蒸気幻楽の青
http://crabfeet.blogspot.com/


しかし…「オープンリール」が楽器として
どうやって音を奏でるか…私も疑問だったのですが…
メンバーの和田さんが分かりやすい動画にまとめたものが
YouTubeにアップされていたのでとても良く分かりました。




前日の夜にも行われていたパフォーミングアーツは
10月17日(日)の開演は15時から。

この日、長者町を訪れるのが初めてだった私は
インフォメーションブースに立ち寄り
ボランティアスタッフさんにいろいろとチラシなどをいただき
情報収集…で、前日も行われていたOpen Reel Ensembleのことを伺ったら

「昨日も凄い人でしたよ」

との情報を手に入れたので
開場が30分前だったので、私は余裕を持って、45分前ぐらいに到着。

すると…

「すでに20名以上の方が会場入口に待機」

私も一緒に並んで…14時30分。無事に開場となり…

「最前列に」

間近で演奏を見ることができることに…嬉しいです。

ORE.jpg

人が続々と集まる荷さばき場にて、
暗闇で妖しく光るは、4台のオープンリール。
そして…ライブが始まったら…

「何?このパフォーマンスは!」
今だかつて味わったことのない音の洪水…



※映像の撮影が不可だったので…
今回のライブ映像ではありませんが…
youtubeでライブ映像を見つけたので
雰囲気を感じていただければ嬉しいです。


オープンリールだけではなく、各メンバーが生の声、民族楽器、
エレキギター、電子バイオリン、さらには鍵盤ハーモニカまでが登場して
いろいろな音をその場で奏でて、アナログサンプリングするというスタイル。
その偶発的なアクションから生成される臨場感ある音の洪水に
もう後半は観客も大きな手拍子で演奏を体感。
その手拍子の後押しと、最前面に配置してあったオープンリールのテープが
切れてしまうアクシデントもあってか
リーダーの和田さんも何かが爆発して…

「テープを引き抜き、音を出すという荒技パフォーマンスに」

これには観客達もさらに盛り上がる…

熱気ある45分のライブは盛況の中、終了となりました。

これほどのパワーみなぎるライブを体感して
高揚感に浸る観客の方々をさらに喜ばせたのが…
終了後…メンバー直々に機材の説明を受けられることに。
興味津々な観客の方々から質問攻めにされながらも
笑顔で、そして実際に機材を動かして説明されるメンバーの方々に
観客の皆さん、耳をそばだてて、目は釘付けに。
そんな中で印象的だったことをいくつか…

だいたい1台のオープンリール・レコーダーで録音できる最大の長さは90分ほど。
右から1台目のオープンリール・レコーダーにあらかじめサンプリングした音を入れて
それを軸に、他の3人でほぼ、即興に近い形でスクラッチなどをして演奏を行っているとのこと。

あと観客から向かって右側に横置きに置いてあったのは業務用のオープンリールで
前方に4台並んでいたオープンリールとはテープの太さが倍ありました。
こちらは8つのボタンで制御して、
シンセサイザーのようにして使用しているのだそう。
そして…
「オープンリールは振動に弱いので…
 こうした硬いフロアでないと安定した音がでないんです」

とのこと。

そして、ライブの途中、メンバーの和田さんが一人で
iPhone片手に4台のオープンリール・レコーダーを制御する場面があったのですが
あれはアプリを使って、Wi-Fiで指示を飛ばして制御していると、ご本人より説明が。

さらに中盤、音が出ないアクシデントがあったのは…

「あれは、テープが裏返ってしまって… 録音されていない状態だったので…
 実は昨晩のライブで佐藤くんがその状況になって『佐藤現象』と言っていたのですが…
 まさか自分がやってしまうとは…」

と苦笑いしながら説明されていたのも和田さんでありました。
なんでも、今回の会場ほど暗がりで演奏したことはないそうで…

「言い訳にもなってしまうようですが…これほど暗いところは経験がなくて…」
と、複雑な心境を吐露しながらも苦笑いする和田さん。

とはいえ、ライブの途中で中央のオープンリール・レコーダーの
テープが切れてしまったのですが…
それについては素早くリールを回転させることで
切れ端を巻き込み、高速回転…テープを安定させて
再度、演奏に戻るという臨機応変なその操作…
何とも圧巻でありました。

さて、テープが切れることについては…
名古屋ならではの原因があることがメンバーより説明されました。

元々関東を中心に活動されているOpen Reel Ensembleの皆さん。
という訳で普段は50Hzの電源の周波数でライブを行われています。

関東と関西では電源の周波数が違うので…
名古屋でのライブの場合は60Hzの電源の周波数でライブを行うことに。

実は、オープンリール・テープレコーダーは、使用する電源の周波数により
回転数が違ってくるのです。

「以前に京都と大阪でライブを行った際に
 そのことに気がついてなくて『今日はやけに速く回転するな』と思っていたのですが…
 京都と大阪のライブの音を東京に戻って再生してやっと原因が分かったんです」

関西で録った音を関東で再生したところ、
半音下がり、スローな音が出てくるので…
(和田さんいわく…マフィアのボスの声だそう…笑)
「回転数か違うのか!」と、気がついたんだそうです。

そう。つまり名古屋も電源の周波数は60Hz。
リールの回転数が京都と大阪のライブ同様、速い回転になるのです。
速い回転で普段のスクラッチなどのアクションを重ねることになるので
どうしてもテープが切れやすくなるようです。

観客の皆さんが口々に『ぜひまた名古屋で!』と
おっしゃっていたのを耳にしたメンバーの皆さんが
「この高速回転に負けないように精進して、頑張ります」
と笑顔で応えていらっしゃったのが印象的でした。

アートだったり、音楽だったりという枠組みにとらわれない
独特の世界が広がるライブを体感でき本当に素敵なひとときでした。
またぜひ近いうちに彼らのライブを体感したいです。
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