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「春の東京残像〜新宿〜」 [展覧会のはなし]

表参道でショッピングを楽しみ、スウィーツを味わった私
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2010-09-03

ここで友人とお別れ。

その後、赤坂で手配したホテルにチェックインした後、
今度は新宿にある東京オペラシティーへ向かい
もう一人の関東の友人と逢う。

東京オペラシティ
http://www.operacity.jp/ag/

毎週末、「題名のない音楽会」を視聴している私としては
ある意味、テレビのモニタ越しに憧れる場所ですけど
今回はアートギャラリーの方で…こちらを鑑賞することに。

オペラシティ01.jpg

「エレメント~構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」
http://www.operacity.jp/ag/exh114/

構造デザイナー セシル・バルモンド氏は
せんだいメディアテークなどの建築も行った伊東豊雄さん
(こちら岐阜県では、瞑想の森 各務原市営斎場の有機的な建築物が有名)
ともつながりのあるお方。

「構造」と聞くととても工業的で、無機質な印象を受けますが…
彼の頭の中はとても柔軟というか…幾何学をベースにしているとは思えないほど
彼から生まれる建築物などはとても有機的で、とても美しいのです。
それを立証するかのような入場してすぐに現れた写真とドローイングのコラボレーション。
さらにはパズルのような数学的数字の展開。

中でも圧巻だったのが…「プレート」と「チェーン」のみで構築された立体造形。
オペラシティ02.jpg

この立体造形は、設置してあるフロアの入口で靴を脱ぎ、間近で見る事ができました。
なんでも設置の際にチェーンの輪にプレートをはめ込むのですが
この際に生まれる「チェーンの1mmの伸び」があることでプレートがぴったりとはまり
互いの力の方向のバランスが絶妙に支え合うようでこの立体造形が出来上がるとのこと。

キラキラとしたアルミプレートとチェーンがなんとも近未来を彷彿させ
そして、プレートとチェーンがこれほどしっかりと倒立しているのが
目には分かるのですが、頭の中では「プレートとチェーンだけなのに?」と
不思議な感覚を抱いていて…そのアンバランスな感覚と思考のズレからか
私は、この立体造形がまるで「神業」のようにも思えて…とても荘厳に感じられました。

にしてもこの展示方法は良かったですね。
間近で見ることができましたし…
他にもバラモンドさんの代表作の一部を立体にしたものや
動画にしたものが展示されていて…
靴を脱いで鑑賞するのでその場に座り込んで気に入った動画を
エンドレスで鑑賞したり、じっくりと間近で鑑賞したりと…
普段の美術館では味わうことのできない…
「肌で感じる美術」が体感できたのが本当に楽しかったですね。

他にも今までの代表作のパネル展示も動画などを織り交ぜて紹介されていて
大変分かりやすく…そしてより、バルモンドさんの世界を身近に感じました。
オペラシティ03.jpg

驚いたのが…
私が昔、イギリスの近代美術館「テート・モダン」で観た作品に
バルモンドさんが絡んでいるとは…全く知りませんでした。
このスピーカーのおばけのような立体造形は…最初観た時は圧倒されましたね。
もう大きさが半端なくて…
「海外の美術館に来たんだなぁ」とあらためて実感した思い出の作品でした。
オペラシティ04.jpg
あとは…バルモンドさんの凄腕をあらためて認識させられたのが
この中国中央電視台の新社屋。
まるでM.C.エッシャーのだまし絵かと思うほど。
天井の階下がまるでブロック崩しにあったかのように
ごっそりと抜けているんです。
もうこれには言葉も出ませんでした。
動画でこのプロジェクトの進行について
ダイジェストでドキュメント映像として紹介されていて
思わず見入ってしまいました。

さて、アートギャラリーはもうひとつ上の階にも別にアートギャラリーがあり…
そこではコレクション作品の展示や、
新人作家の紹介も兼ねた展示スペースになっておりました。
オペラシティ05.jpg
「わが山河パート2」

オペラシティ06.jpg
様々な作風の作家達によって描かれた自然の移り変わり。
優しい風がそよぐような穏やかな画面。
墨一色で、自然の静寂を表現した作品まで
非常にバラエティー豊かで…予想以上に心満たされる空間でした。

オペラシティ07.jpg

熊谷直人

植物など、有機的なモチーフを描いた
若手作家の熊谷さんの作品が展示されていました。
これから芽吹く春を彷彿させるような…
じわりじわりと生命が息づく感じが
彼が描く甘いフォーカスにも似た、淡く、
やわらかな色づかいにもリンクして
観ていてとても心地よかったです。

本当…ここのアートギャラリーは
ちょうど良いボリュームでした。

というのも…森美術館や、国立新美術館なども行くと楽しいのですが…
あそこは広いのと、作品点数も多いので
結構、こうした夕方に行くと結構バテてしまったりするのですよ。
というのも、私の場合、たいがい東京に行く際には
欲張って、午前も昼間もぶっ通しで企画展2、3本観たりするので(笑)

思いのほか長くなったので夕食のはなしは別で…

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tanuki

この展覧会は本当に楽しそうですね!!(^^)
プレートの中に埋まって歩きたいです(笑)
こういう展覧会を見ていると、やっぱり東京はいいな~と思いますね~。
大阪辺りにも巡回してくれないかしら・・・
私も、東京に行ったなら、美術館のハシゴを何軒もしてしまいたくなります(^^)

by tanuki (2010-09-04 08:12) 

ユキヲ

>tanukiさんへ
nice&コメントありがとうございます。
プレートの立体は本当に圧巻でした!!!
ところどころ写真のように向こう側が見えるようになっていて…
その光景が壮観で、壮観で…本当に素敵でした。
元々、シルバーカラーが好きなので…
とんでもなくテンションがあがってしまいました(;´▽`A``
東京の良いところは、それぞれの美術館やギャラリーが
独自の企画で良質の展示をしているところですね。
ただ、一つ残念なのは岐阜に住む私には交通費が
かかるところですね(苦笑)
とはいえ、こういう素敵な展覧会に出会うと
「はるばる岐阜から来て良かった」と思いますね。
by ユキヲ (2010-09-04 12:35) 

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