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「明治村を歩く〜3丁目付近:蝸牛庵と坐漁荘」 [建築etcのはなし]

さて、芝川邸にて隅から隅まで見学を終えた私達。
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2008-12-04

『幸田露伴の家は気になるなぁ』と、
小学校以来の明治村となる我が相方が気になっていたのは、こちらの建物。
蝸牛庵.jpg
幸田露伴住宅「蝸牛庵」---------------------------------------------
明治初年に、隅田川のほとりに建てられたこの家は、
当初は豪商の別荘であったそうですが
その後、酒類を扱う甲州屋雨宮家の持ち家であったものを、
幸田露伴が借家にしたとのこと。
江戸末期中流住宅の優雅さとゆとり、洗練度を垣間見ることができる
こちらも貴重な建物です。

幼少の頃から算術を得意としていた幸田露伴は
16歳の時、給費生として逓信省電信修技学校に入り、
卒業後は官職である電信技師として北海道余市に赴任します。
坪内逍遥の「小説神髄」に触発され文学の道を志す意志が芽生えた露伴は
明治20年(1887年)21才の時、仕事を辞め帰京します。
そしてその翌年に発表したのが処女作「禅天魔」。
その後、「風流仏」「対髑髏」「五重塔」など次々と作品を発表することになりました。
そんな露伴は度々住まいを変えていたようなのですが…。
この家もそのうちの一つで、隅田川の東にあったこの家には、
明治30年(1897年)から約10年間、過ごしています。
ちなみに、幸田露伴の娘である幸田文さんは、こちらの家で生まれたそうです。
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「いいお家ですわ」

着物姿でお庭を眺めてみたいですね(^^)

あとそのお隣に位置する建物は
西園寺公望別邸.jpg
西園寺公望別邸「坐漁荘」--------------------------
西園寺公望(さいおんじ きんもち)は、清華家の一つ徳大寺家の次男として誕生し
4歳の時に、同族で清華家の西園寺家へ養子に入り家督を相続しています。
彼が10代の頃といえば、混乱期の幕末。
いろいろと思いをめぐらした彼は、東京や長崎でフランス語の勉強を始め
明治3年(1870)法学を学ぶため渡仏。
10年間滞在した後に、帰国した彼は、パリ留学で自由思想を学んだこともあり
中江兆民、松田正久らと共に「東洋自由新聞」を発刊。
自由民権運動の普及に努め、廃刊後は政治の道へと進みます。
憲法調査のため外遊する伊藤博文の供としてつき従い、
各国公使、各大臣を歴任し、明治39年(1906年)には
伊藤博文のあとを受けて、政友会を率いて内閣を組織しています。
第12・14 代、内閣総理大臣となった彼ですが、
この「坐漁荘」は西園寺公望が政治の第一線から退いた後、
大正9年(1920年)に駿河湾奥、清水港近くの興津の海岸に建てた別邸。
「坐漁荘」という名前には
“なにもせず、のんびり坐って魚をとって過ごす”
という意味がこめられていたようですが…
実際には事あるごとに政治家の訪問があったそうです。
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「元総理大臣の別邸…すばらしいですね」
これで別邸だもの(滝汗)

日本建築も眺めて夢見心地のユキヲですが…
相方のひと言に現実に引き戻される。

『もう3時過ぎだけど…』

「3時?…え!もう3時なの?!」

明治村は11月からは冬期営業となり、午後4時には閉まってしまうのです。

「急がねば」

明治村に来たのなら…

「帝国ホテルと、聖ザビエル天主堂を見ずに帰ることができません」

大げさな(苦笑)

『でも、帝国ホテルは北口の近くだけど…』と相方。

そうなんです。今、私たちがいる3丁目はある意味南側の端。
しかし、見たい帝国ホテルは北側の端である5丁目。
本当ならば…4丁目の宇治山田郵便局に寄って、
汐留バーで、ひと休みしたかったのですが…

「ショートカットするしかございません!」

灯台越しの眺め.jpg
重要文化財である品川灯台の近くにある、京都市電の終着駅「市電品川燈台駅」から、
最初に乗った駅である「市電名古屋駅」まで移動。
「その後、最後にSLが走っていれば…それに乗って、ひとまず北口前に戻る」

さて、無事に帝国ホテルは拝めるのか?

続きはまたのちほど…


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