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「北斎の作品を観る 」 [展覧会のはなし]

11月1日(土)
11月に入って、資格のための勉強のために
スクールに通い始めたのですが…毎週の講義が土曜日の午前中。
午前10時スタートで、2時間の授業。
午前中といっても、平日仕事で出かける時間帯よりも比較的ゆっくりですし…
何より…

「土曜日の午後からの時間が有効に使える」

ご存じの通り…
3月から10月まで、毎週土曜日の午後は和裁のお稽古をしていたのですが
午前中から昼にかけて、家の掃除や布団干しなどの雑用を片付けられるのは
良いのですが…

「なにぶん、午後からお稽古なので、なかなかひとりで気軽に出かける時間が確保できない」

いや、まあそんなこともあって最近の美術館での企画展めぐりは
有給休暇に出かけることも多かったんですけどね(苦笑)

しかし和裁のお稽古もひと区切りつけ、その問題が解消。
そして季節は秋。
友人・知人さんからのグループ展やイベントのご連絡などをいただいていたこともあり
講義が終わってから、久しぶりに栄へと足をのばすことにしました。

「と、その前に…お腹を満たさなくては」

ということで…今日はモスバーガー。
最近、携帯電話でメンバー登録をしているおかげでクーポンも携帯電話で入手可能。
お得な情報が早くキャッチできるので重宝しています。
(そうはいっても、ちゃんとPCでもメーリングリスト登録…どんだけMOSファンなんですか…笑)

この日は携帯電話専用クーポンで注文した
最近発売された期間・地域限定バーガー
「たこカツさんバーガー(ライスバーガータイプ)」を注文。
http://www.mos.co.jp/index.html
「意外にタコがぎっしり入ってます」
秋になって始まった、スープ「ミネストローネ」も、この時期のお楽しみ。
でも、この日は天気が良い窓際で食べたせいか
「ちょっと暑くなってきたかな」

お腹も満たしたところで…伏見から栄まで、久しぶりにてくてく歩きます。

実は会社にて…
お客さんから、うちの会社に北斎展のチケットがまわってきたのですが
「こういうのはユキヲさん好きでしょう」と自動的に私のところへ(笑)

「ありがたや、ありがたや」という訳でこの日は松坂屋美術館へ。

今年の2月〜3月と名古屋市美術館でも「北斎展」が開催されていたものの
結局時間が合わず、行くことかなわずでした。
(人出も多いと聞いていたので腰が引けてしまったのも事実)
とはいえ松坂屋美術館で開催されたものは名古屋市美術館で開催されたものとは違い
「冨嶽三十六景と富嶽百景」を中心に集め、「北斎と富士」について
クローズアップした展覧会となっておりました。

「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」
10月25日(土)→11月16日(日)※会期中無休
http://www.matsuzakaya.co.jp/museum/hokusai2008/index.html

正直言って、無料でいただいたチケットですし…
気軽な気持ちで出かけたのですが…これがあなどれなかったです。

まあ、前記の通り、最初は冨嶽三十六景が展示されているのですが
その様々な富士山の見せ方に思わず唸ってしまいました。
(少しでも詳しく皆様に伝わればと思い以下の画像は購入した図録より撮影しました。)

有名どころだと…やはりこれですかね。
神奈川沖浪裏.jpg
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
ダイナミックな海の波とその波の水平から食い入るように姿を現す富士山。
必死に船につかまる人々の姿から、自然の波の壮大さも感じることができます。

尾州不二見原.jpg
「冨嶽三十六景 尾州不二見原」
大きな樽(?!)がまるで絵画の額縁のようにも見えて小さい見える富士山を
より際だたせているのではないでしょうか。



あと個人的に好きなのはこれらですね。
甲州石班澤.jpg
「冨嶽三十六景 甲州石班澤」

漁師の釣り糸と絶壁の崖、そしてうずくまる子供。
非常に緊張感みなぎる作品ですが、釣り糸と崖の線が
富士山ともリンクしてとても面白い構図です。


そうそう北斎は…こういう人間味あるコミカルな一場面を切り取るのも上手ですよね。
甲州三嶌越1.jpg
「冨嶽三十六景 甲州三嶌越」
大木に手をまわし、その大きさについて驚き、口々に思いを話しているところが
こちらにも伝わってきます。
脇でほっと一息ついている一人の旅人がまた良い対比になっていますね。
甲州三嶌越2.jpg

東海道江尻田子の裏略図1.jpg
そして「冨嶽三十六景 東海道江尻田子の裏略図」
これなんてもう細かいところまで手を抜いていないところが
さすが北斎!田畑仕事に精を出す庶民をしっかりと描いています。
東海道江尻田子の裏略図2.jpg



後半の富嶽百景には、江戸の生活を垣間見ることができ
江戸町人のいきいきした生活が感じられます。
個人的に現在、パート1から欠かさず見ている大好きな時代劇
NHK時代劇「居眠り磐音」の続編を視聴していることもあり
より身近に、そして楽しく鑑賞できました。

というか…顔の表情から、指の先まで…北斎さん、本当に表現豊か。
「富嶽百景 風情面白キ不二」
思わずこちらも笑いがこみあげてきそうなほどの表情の描写。
風情面白キ不二.jpg


「富嶽百景 掛物の発端」
驚いた様子が指の描写でよく分かります。
掛物の発端.jpg


動物などの描写もとても特徴的(^^)
月下の不二.jpg
「富嶽百景 月下の不二」
これ…犬です(苦笑)何だかすごいインパクト。遠吠えしてますよ。

福録壽.jpg
「富嶽百景 福録壽」
これは…鹿です(苦笑)鹿って…こんなに長いひげ、生えてたっけ?(笑)

あとこれも好きです。
江戸の不二.jpg
「富嶽百景 江戸の不二」
はい、しゃちほこです。
てっぺんに小鳥が「ちょこん」と止まっているところが
何だかほほえましい(^^)


予想以上にとても楽しい時間を過ごすことができました。
最後には松坂屋らしく、常設展示ということで…
所蔵している「小袖」の一部展示されていました。
そう、「小袖」とは、あの以前に見た展覧会「小袖 江戸のオートクチュール展」で
たぶん展示されていたうちの一部かと。
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07-1
「お、以前に見たものとはまた違うものですなぁ」
「小袖展」の名古屋会場では、半分ほどの作品が入れ替えとなったとのことですから…
今日はちょっと得しましたね(苦笑)
いやはや楽しかったです。

図録を買うつもりはなかったのですが…
やはり、富嶽百景を見ると…欲しくなってしまいお買上げ。
あとはこんなものも…
そう。今回は展示されていませんでしたが…
北斎漫画に描かれているものを上手く編集してプリントされた
ユーモアたっぷりのポストカードです。
北斎漫画葉書.jpg

様々な江戸町人が描かれていて見ていて楽しい。
ああ、使うのがもったいない(笑)

さて、まだまだ栄を歩きます。続きはまたのちほど…
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whitered

おはようございます。「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」多くの版画を残した北斎の冨士を描いた作品に絞った展覧会、それでも多くの作品がありますね。構図にしてもセンスにしても、うなるほど現代的ですよね。私は以前から、波の描き方がすごいと思っています。大波や小波、荒れ狂う波、日頃の観察もかさねていたのでしょうね。北斎漫画もいきいきとした人間描写が大好きです。

by whitered (2008-11-09 09:10) 

ユキヲ

>whiteredさんへ
nice&コメントありがとうございます。
私、春に名古屋で開催されていた「北斎展」に出掛けなかったので
今回のがそれと比べてどうなのかがちょっと想像つかないのですが…
私としての感想は、作品数は通常の企画展を考えると
やはり、多いと思います。
それより何より…北斎さんの頭の中、本当のぞいてみたいくらい(笑)
表現方法が独特であって、構図が現代にも通じるほどスマート。
本当、今回あらためてじっくりと鑑賞して驚きました。
波…
確かに、表情豊かな波の表現には圧巻ですね。
他にも波を描いた作品は何点かありましたが
波のしぶきから鳥が飛ぶ構図などもあり…どれも素晴らしかったです。
北斎漫画…
以前に名古屋のタカシマヤでも北斎展が開催されていたのですが
その時に展示されていた北斎漫画は日用品などの道具などが多くて
こうした江戸町人の動きをとらえたものはあまりなかったような気が…
今度は、こちらの作品を機会があればじっくり見てみたいですね(^^)


by ユキヲ (2008-11-09 22:58) 

nao

北斎いいですよね〜。
観察眼といい、アイデアや遊び心といい、
見る側を楽しませてやろうという気概を感じます。
わたしも最近、浮世絵展に行って、北斎の作品も何点か観てきました〜♪
by nao (2008-11-11 22:09) 

ユキヲ

>naoさんへ
nice&コメントありがとうございます。
私も着物とか和のものに興味が出てきてから
やはり、日本画や浮世絵も意識して見るようになったんですけど…
まあ、本当、北斎さんの観察熱心(と思われる)細かい描写と
構図の大胆さには驚かされます。
浮世絵はあらためて見ると、本当に斬新ですよね。
海を渡ってヨーロッパの人々に影響を与えたのにも納得がいきます。
by ユキヲ (2008-11-12 11:31) 

3ryo3

北斎ですか・・・。
自分は浮世絵展を見た時に作品を見ました!

私は妖怪の絵とかが好きで、
浮世絵展には置いてなかったですが、
本などでたまに見つけます。
どれを見ても細かく描いていてスゴイと思います。
by 3ryo3 (2008-11-12 20:30) 

ユキヲ

>3ryo3さんへ
nice&コメントありがとうございます。
昔の日本の絵は本当に細かい部分まで描写されているので
観るたびに新しい発見がありますね。
今の私ですら、図録をあらためて見て、解説を読んだりしながら
「そんな所にも?!」ということがあります(笑)
妖怪の絵…
繊細な描写もあいまって不気味さもさらに増したりと…
怖いんですが、その表現方法や構図の取り方が
また独特で面白いですよね(^^)
特に掛け軸の絵などは丈も長いせいか
妙にリアルに感じる作品もあります。
by ユキヲ (2008-11-13 12:22) 

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