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「藤田喬平展」 [展覧会のはなし]

2月22日(金)
名古屋のタカシマヤで開催されていた「藤田喬平展」に
仕事が終わってから出かけました。

「藤田喬平」

私もこの方のお名前を知ったのはごくごく最近。
実はこの方の息子さん(藤田潤氏)が名古屋のタカシマヤで個展をされていて
独特のその作品に「ガラスらしくない不思議な雰囲気」を感じ取った私。

で、だどってみると…
そのお父様が「日本のガラス工芸美術の先駆者」だった方とか。
「そんなお父様の作品は…」と思っていた矢先に
以前に新日曜美術館で紹介されていて名古屋も巡回するとの情報が…

「なんというタイミング」

ということで、出かけたわけです。

見に出かけて良かったです。
代表作である飾筥(かざりばこ)には感動しました。

飾筥(かざりばこ)
http://www.ichinobo.com/museum/m_collection1.html

ガラスのハコを作るのに数えきれないほどの試行錯誤を
繰り返した先生だからこそできた作品です。
そして藤田先生が学生時代から好きだった琳派が
先生のココロと身体のフィルターを通して
ガラスという素材ですばらしい作品になっています。

またこの飾筥にちなんだ海外でのエピソードもなかなかユーモアがあります。
海外では日本以上に称賛された飾筥はとある海外の展覧会で
「飾筥は何に使うのか?」という質問に先生は「夢を入れます」と
答えたのだそうで、周囲から大喝采を受けることに。
それから飾筥は、海外で『ドリームボックス』と呼ばれているのだそうです。

あとびっくりしたのはオブジェ。
大人の上半身ぐらいありそうな大きなものもありました。
中でも私が印象に残ったのが、大きなリンゴのオブジェ。
びっくりするやら、そのけた外れな大きなリンゴに思わず笑みが…

最後にヴェニス・ムラーノ島でヴェネツィアングラスの技術を
身につけた先生が生み出した作品の数々に遭遇。
その繊細かつ大胆な形と色遣いに驚きました。
私は全体を見て、細部の文様を見て、
そしてまた全体を見て…を何度も繰り返してました。
本当に、飽きないんです。不思議な魅力がありました。

黒い布に摘んできた野花を散らしたような瓶もあって
「まるで着物の小紋柄みたい」と思わずにんまり。
ガラスでできた茶道具などもあり、とても興味深かったです。

ガラスの作品を見るのは、もう10年近く前に見た
ルネ・ラリック展以来でしたが
今回の藤田先生の作品はやはり、日本で培われた美意識が
上手く昇華されている作品ばかりでとても親近感がわきましたし
「日本にもこんな素敵なガラスの作品を作る人がいるのだな」と
心底、感動しました。出かけて良かったです。

図録も気になったのですが…
ここはひとつ実用的なものということで…

一筆箋にしました。
最初は「一筆箋なら、東京の美術館で購入したものとかたくさんあるんだけど」と


一瞬見て思っていたのですが、いざ手に取り、この斬新な便箋の裏にひとめぼれ。

おまけに私の好きな青色系だったので、やっぱり買ってしまいました(^^)

来週からはNHKの「美の壺」の展覧会があるそうなので、こちらも楽しみです。
魯山人の器や、絞りのお着物なども展示されるそうですよ(^^)


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tanuki

藤田喬平さんの作品、大好きです。(^^)
日本伝統工芸展でも、作品を見る機会がよくありました。
息子さんと制作活動をしている様子も、日曜美術館の番組で見たことがあります。
和の心をガラスで表現する、という技法は新鮮で、あたたかみさえ感じられますね。

「美の壺」の展覧会、関西でも巡回してたと思うのですが、行きそびれちゃいました。
ユキヲさんは行かれる予定なのですね♪楽しんできて下さいね~(^^)
by tanuki (2008-02-24 09:08) 

ユキヲ

>tanukiさんへ
nice&コメントありがとうございます。
私は日本伝統工芸展の存在を最近に知ったので…
(以前に新日曜美術館で放送されたことで知りました…^^;)
本当、おはずかしい話です。
とはいえ、以前に鑑賞した松田権六さんも番組を通して
知る事ができましたし…新日曜美術館は、
自分の知らない分野の美術のことを詳しく知る事ができるので、
最近は毎週欠かさず見ています。

いやはや、藤田喬平先生…すばらしい方ですね。
この機会に間近で作品を見る事ができて本当に良かったです。

あ「美の壺展」ですが、名古屋の後は最後に大阪に巡回するそうです。
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/binotsubo/index.html
また時間を見て名古屋での展覧会の様子、アップできたらしますね。
by ユキヲ (2008-02-24 21:53) 

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