「青島広志」

今日の「題名のない音楽会２１」で、
その軽快でユーモアあるトークと得意のイラストを披露されていたこの方。
私、大好きなのです。

私的に言わせていただくのであれば
「クラシック音楽界のツアーコンダクター」（笑）
この方のトークは何かひきつけられるものがあります。
難解な現代音楽もこの方にかかれば…なんてことない
すぅ～っと頭の中に入り込んでいく。そしてまた興味が沸く。
そういう意味では、敏腕の案内役なのかもしれません。

それはあの頃から変わりませんでしたね。
私は小学生の頃から知っていたのですよ。青島広志氏を…

だって、青島氏はNHKの教育テレビ「ゆかいなコンサート」の
初代総監督をされたお方。
今でもおぼろげに覚えているのは…あの「ゆかいなコンサート」のオープニング曲と
（「♪は～っ、はっ、はっ、晴れた空～　ですよ（笑）ご存知の方、いらっしゃいます？）
たしか青島氏がユーモア交えて教える「リコーダーの構え方」
「おもしろいおじさんだなぁ」ぐらいでしたけど（失礼）その当時はですよ。もちろん。
第一、学校で、音楽の教育テレビ番組って当時、観てないですからね。
その当時の記憶が残っているということは自分がよっぽど自宅で、
夏休みや冬休みに意識して観ていたということですよ。裏を返せば。

でもねぇ、まさかこのおじさん（だから失礼だって…笑）が
東京芸術大学大学院首席修了されていた凄腕の方なんて当時は
全然知らないわけで…（滝汗）

さらに１５年以上後に、こんなさまざまなテレビ番組で、この方がご活躍されるとは…
確かに「ゆかいなコンサート」を当時見ていた自分は、子供ながらに
「このおじさん、こんなに面白いのに…教育テレビじゃ窮屈すぎないかい？」
と客観的に観ていましたけど…（テレビっ子のルーツ、ここにあり？…笑）
なんだか活き活きと音楽のツアーコンダクターとして
クラシックに慣れない私たちに、その楽しみを教えてくれる青島氏は
なんとも頼もしい存在です。

さて、この日も「題名のない音楽会２１」にて
「天才を育てたグレートマザー物語」と題して
自作のイラストを駆使し、説明する姿は大変、面白かったですし
毎回、本当視聴者が飽きない工夫をされますね。感心です。

たとえば、父親の浮気を裁判所に訴えて高額の生活費をもらっていたという
ワルツ王と言われるヨハン・シュトラウス２世の母のことを
「やり手の妻ですねぇ」と言うところにはおもわず爆笑。
私も今回のお話を聞いて「なるほど」と思ったのは
年始に世界に衛星放送される「ウィーンフィルのニューイヤーコンサート」のお話。
実は今年、年始に実家に帰った時に
特に面白いものが放送されてなかったので
実家でみんなで観ていたのが「ニューイヤーコンサート」
その時に、「本当、シュトラウスの曲多いね」と妹と話していたのですが…
実は、そのほとんどがシュトラウス２世の曲で
その父であるシュトラウスの曲はなんと恒例のアンコール曲で有名な
「ラデッキー行進曲」のみ、なんだそうです。

何でも、シュトラウス２世の母は夫には足りない音楽の教養を熟知しており
その部分を、夫からもらった高額の生活費で息子に教育を受けさせて
「父を超える作曲家」に仕立て上げたのだそう。
（まさにやり手の妻ですね…笑）
そんなシュトラウス２世も父に音楽の道へ進むことを反対され
大学では経済学を学んでいたとか。
でも、結局はワルツ王という道を歩むことになるのですねぇ。面白い。

あと、面白かったのが「ゆとり教育」を受けたとされる
ロシアのプロコフィエフ。
手書きのスキンヘッドのプロコフィエフのイラストに
「これは私ではございません」と言う青島氏に場内大爆笑。

プロコフィエフと聞いてもピンとこない方も
あの「ソフトバンク」のＣＭ、「予想外」のタイプで使われている曲といえば
「ああ！」という方もいらっしゃるのでは？
（以前、放送されていたドラマ版「のだめカンタービレ」でも
　シュトレーゼマンの登場の曲として耳なじみですよね）
この曲は「組曲『ロメオとジュリエット』」の中の
「モンタギュー家とキャピュレット家」という曲ですが
なんとも２つの家を取り巻く雰囲気が感じ取れる、重厚な曲ですね。

あと、ナルシストのショパン、超マザコンのラヴェルなど
青島氏の楽しい切り口がまた良かったですね。
今回も大変面白い３０分でございました。

特番シーズンになると放送される「世界一受けたい授業」の２時間スペシャル。
近々また、青島氏にお目にかかれないかなと楽しみにしている
今日この頃です。