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「松田権六の世界」 [展覧会のはなし]

昨年、名古屋のタカシマヤで人間国宝展があったのですが…
都合が悪く、結局見に行けなかった私。
手元に置いておいた「人間国宝展」のチラシには
様々な素晴らしい作品が載っていたのですが…
特に松田権六氏の「蒔絵螺鈿有職文飾箱」が目に焼き付いて
「ああ、実物を観ることができなくて残念だったなぁ」
と思っていたんです。

それから数カ月後…
新日曜美術館で紹介されていた松田権六氏。
「やっぱり観ておくべきだった」と番組を観て激しく後悔してしまいました。
それより何より、番組で紹介されていた他の作品の素晴らしいこと。
特に太平洋戦争末期、緊迫した状況の中で制作された
「蓮来之棚」

(今回の企画展の図録の表紙に一部が使われておりました)
今までの技術を込めるべく制作されたと思われる
この作品には「漆の魂」みたいなものを感じました。

「やっぱり、この目で観てみたい」
そう思ってはみたものの…
この「松田権六の世界」はMOA美術館と国立近代美術館のみの展示。

「名古屋来ないのよねぇ」とがっくり肩を落としていた私。

しかし、神は見捨てなかった。
(これも年始の大吉効果?)
ご存知の通り、東京旅行のお許しが出て、関東圏の企画展示を
再度調べていたら…「まだ、開催中」

実は、国立近代美術館…2度ほど出かけたことあるのですが
今まで時間の都合がつかなくて、工芸館まで観ることができてなかったんです。
ですので、今回やっと工芸館の方も訪れることができました。

「松田権六の世界」を堪能できたのはもちろん、
こちらの工芸館の建物に、洋風建築好きの私としてはもう感動。

重要文化財「旧近衛師団司令部庁舎」

「すばらしい」
階段や手すり、窓まで内部からじっくり観てきました。

さて、本題の企画展でしたが…
朝一番に入場しましたが…ご年配の方々が多く、結構混み合ってました。
とはいえ、展示作品は「すばらしい」の一言。
同じ日本人がこうした素晴らしい作品を残してくれたことに感動。
もう念願の蓮来之棚では時間を忘れて立ち尽くしておりました。
思い残すことはありません。はい。
そして家でもじっくり楽しめるよう図録を購入。
そして松田権六の文飾箱の一部をプリントして仕上げた
品の良い一筆箋などを購入し、工芸館を後にしました。

この後は、国立近代美術館に戻り「柳宗理 生活の中のデザイン」を鑑賞。
以前、購入した「カーサ・ブルータス」の特別編集本の中に
掲載されていた今までの作品が展示されていました。
平面ばかりで観ていた作品を3Dで観ることができてとてもうれしかったのですが
(ハカリとかテープカッターとか…埋もれがちな名作品まで展示されていました)
やっぱり所蔵作品展のフロアでしたので…想像していたよりも小規模だったかな。
とはいえ、満足、満足。

ということでこちらの国立近代美術館2Fにある
クイーン・アリス「アクア」で美味しいランチをいただきました。

余談ですが…
昔、結婚前後に茶道のお稽古に精を出していた実家の母が
最近、また近所の文化教室での茶道教室に通い始めたそうで…
先週の日曜日に「松田権六の世界」の図録を持参し、見せてあげました。
「立派な、なつめねぇ…。この菓子器なんて…素晴らしいわ」
と、茶道具類を、うれしそうに眺めておりました。
「にしても、いつもながらパワフルよねぇ、東京に企画展観に出かけちゃうんだもの」
と笑いながら母に言われた娘の私なのでした。


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