桜並木を母と散歩する

４月になって、知人の作家さん達の活動も活発になってきました。
いろいろな方からDMをいただくのですが…
ここにきて、仕事などの疲れが出てきたようでノドを痛めてしまいました。
ということで、今日は家でおとなしくしていようと思い
洗濯とおふとん干しに精を出してみました。

しかし、今日は本当に良い天気。

実は、今住んでいる所から歩いてすぐの所は地元で有名な桜の名所、
大江川があるんです。

細い川ですが、その川沿いにたくさんの桜の木が植えられており
ほぼ満開になったここ２、３日は
いつも静かな川沿いが露店と人々でにぎわっています。

妹から「母さんがちょっと最近疲れているみたい」と
話を聞いていたので、携帯メールで軽くメールを送ってみました。
「今日のご予定はいかがですか？うちからなら歩いてすぐですから
　よかったら一緒に大江川の桜でも見ながら散歩しませんか？」

しばらくして母から返信メールが
『まだ洗濯してますので、お昼頃にそっちへ行きます。
　一緒にランチでも食べましょう』

ということで数週間振りに母と会うことに…
近所に美味しいオムライスのお店があるので久しぶりに
ゆっくりと一緒にランチした後に歩いて大江川まで出掛けます。

『桜見ると、極楽寺のおばあちゃん思い出すわ』と母がぽつり。
（注：極楽寺とは、私の地元の木曽川の堤防近くの地域。
　そしておばあちゃんとは、私の母方の曾祖母にあたる人）
「そうそう、親戚中が集まって、田楽とかしたよね」私も楽しかったからよく覚えている。
『漬け物やおもちとか、まめに作って…本当、いい人だったわ…亡くなってもう１０年以上経つのね』
「田楽と言えば…私、社会人１年目まで通っていた運善寺の書道教室の
　毎年の展覧会後の打ち上げを兼ねた、田楽会が好きだったなあ」
『そうねえ。いつも３月の最終週が書道教室の展覧会で、大学・短大生や社会人の人達で
　展示の準備とかして……展覧会終了後、後片付けが済むと、運善寺の先生が
「桜は咲いてないけど、花見ということで、みんな楽しく食べて飲んで…」
　って、田楽とかを、たくさん用意してくれた、あの展覧会後の打ち上げのことでしょう』
「そう！で、先生ったら、いつも私達、大学・短大生チームに気を使って
　『みんなでカラオケでも行ってこい』ってほろ酔い気分で送りだしてくれてさあ…」
『母さん、びっくりしたわよ。
「今、カラオケに行かせましたから、遅くなりますけど心配しないで下さい」って
　ほろ酔いの男性から電話かかってきたと思ったら…先生だもの（笑）』

先生も病気で数年前にお亡くなりになったけど…いい先生だったなあ。
小さい頃、同級生が２０人以上いる教室の中で、泣きながら筆を持って字を書いていた私に
内心、「この子はすぐやめるだろう」と思っていた先生。
大きくなってから私に「おまえがこんなに長く続けてくれるとは思わなかった！」と
酔った勢いで笑いながら話してくれたっけ。
何だか、先生の顔、うれしそうに見えたし、私もそれ聞いて、うれしかった。

『桜はいいわ…みんなのものだし、けなげに咲いて…罪がないわ』と、母がぽつり。

今日はいろいろなこと思い出しましたね。
時には遠くに行ってしまった人のことを思い出すことも良いですね。

コメント 8

川沿いの桜、すばらしいねー。
舞い散る桜をみていると、いろんな事が去来するね。
ユキヲさんとお母様の会話、素敵な親子関係が垣間見れました♪
by rurucafe (2005-04-11 02:46) 

桜綺麗ですね～
先日の妹さんとの話といいお母様との話といい、実に素敵な関係ですね。
先日来少しずつ読ませてもらってますが、柔らかい人柄が伝わり心地好く感じます。

お粗末ながら私のBlogでも桜の写真を載せてます。よろしければどうぞ。
http://foxes-nest.seesaa.net/article/2865425.html
#本当はコメントに露骨にアドレスを書くのは好きじゃないけどso-netはゲストに優しくないからw
by 性悪狐 (2005-04-11 06:51) 

だんだん時間がたって、親との会話が友人との会話のような感じになってくることがありますけど、なかなかいいものですよね。
最近になってやっと自分の親の個人的な趣味とか、好きなものの話を聞けるようになって、よかったなあと思っています。ただ自分がいかにいい年して子供だったか、ってことなんですけど（苦笑
by harry (2005-04-11 23:41) 

みなさん、コメントありがとうございます。
>ruruoさんへ
地元ひいきじゃないですけど…本当、ココはきれいです。
引っ越してきて良かったと思う今日この頃です。（^ ^;）
私は、地元の駅まで自転車で通っているのですが…
ここの横おもいっきり走り抜けるんですよ。
今日は花びらが数枚「はらはら」と散っていて「これまた美しい…」
でした。

>性悪狐さんへ
去年の今頃は母と意見の食い違いからよく喧嘩をしていましたが…
今は一人暮らしをしていて、お互い、適度な距離を保っているので
私も母も一緒に暮らしている頃よりもお互いのコトを気にかける
ようになりました。
これも一人暮らしして良かったことですね（^ ^;）
撮影された桜…綺麗ですね。
私はもう数年前のフジのFinePixなので
かなりおんぼろのデジカメですが…いたわって使っています（笑）
で、カメラの露光の関係で撮影した写真が暗くなっても
いつも、フォトショップ様子見ながらチョコチョコいじってます（汗）

>harryさんへ
本当、harryさんのおっしゃる通りです。
自分がいかにいい年して子供だったかと一人暮らしをはじめたことも
ありますが、最近、身にしみて感じます。
でも、親にとっては、いつまでたっても子供…ですもんね（笑）
まあ、時代背景とかもありますが…うちの母の場合、もう私の年には
６才と２才の子供を育てていたワケで（滝汗）
とはいえ、コレが引き金になってよく言い争っていましたけど（汗）
今となっては良い思い出です（^ ^;）
先日、母に井上陽水のCDをダビングして渡してあげたら
思いのほか喜んでくれました（笑）
by ユキヲ (2005-04-12 00:11) 

あ～、なんと言うかお母様のセンスの良さが感じられます
俺はユキヲさんの記事を読んでいつも思うのは「センスが良いな」というのと「力が抜けてホッとする」ということなんですが
きっとお母様もそのようなお方なのでしょうね
今日もホッとさせてもらってます
by popopo (2005-04-12 01:43) 

>ぴろまきさんへ
コメントありがとうございます。
う〜む。やっぱり親の影響もあるんでしょうかねえ…。
「力が抜けてホッとする」ですか…あ、思い当たることがひとつ…
やっぱり自分の原風景が「自然」だからでしょうかねぇ…
「小さい頃の経験」がちょっと変わっていると言えば
変わっているかも。というのも…
現代の子にはめずらしく、田植えや稲刈り、さらには風呂たきなんかを
祖母の家とはいえ、体験していますし、あとは
カナブンに糸つけて飛ばしてみたり（これは父から教わった）
飼うわけでもないのに、モンシロチョウチョ、
タニシ、ダンゴムシを際限なく捕まえたり（怖いよ…）
という具合に、庭で昆虫とたわむれておりました
（まるで「不機嫌なジーン」…笑）
by ユキヲ (2005-04-12 23:47) 

トラックバックを間違えてしまいました。
運善寺の方だけを残してください。
わたしは名古屋で治療室を営んでいるものですが、自宅が一宮市です。あなたが書かれている書の酒井先生のお宅には20年も治療のために通いました。
懐かしい文章をありがとうございます。
三島
http://homepage3.nifty.com/yukijuku/
http://h-mishima.cocolog-nifty.com/yukijuku/
by 三島広志 (2005-07-22 00:05) 

>三島さんへ
コメント＆トラックバックありがとうございます。
先生が若い時に大病をされたことは子供ながらにそして両親からも
話には聞いていたのですが、数年前にお亡くなりになったときには
すでに書道の稽古をやめていた私にもショックな出来事でした。

私は小学校１年生の頃から社会人1年生まで酒井先生にお世話になり
書道の手ほどきを受けておりました。
小中学生の頃は地元の七夕まつりの奉納書きぞめから、
赤い羽根・緑の羽根、そして明るい選挙の書道コンクール…
書道の公募展で私が何度か入選や入賞をいただけたのも
酒井先生の厳しいながらもやさしい指導があってこそでした。
１年の成果を発表する３月の展覧会は大きくなってからも私の
楽しみのひとつで、特に先生と一緒に田楽をいただくひとときが
一番楽しく、いつのも厳しい指導の姿とはまた別の
おおらかな人柄を垣間見れる時でもありました。
展覧会で額や掛け軸の表装をするようになった短大生時代は
毎年、先生とアイデアを出しあっていたことも
今となっては楽しい思い出のひとつです。
by ユキヲ (2005-07-22 01:33)