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「岐阜の舞妓・喜久雛さん、幇間・喜久次さん」 [芸術etcのはなし]

6月5日(日)
JR岐阜駅 高架下 アクティブG2階 ふれあい広場にて
「東日本大震災復興支援チャリティーイベント」が開催され
岐阜の柳ヶ瀬内の雑貨店さんが臨時出店されたり
ライブステージでは地元のアーティストの方々が
演奏や歌を披露するとの情報を折り込みチラシで知り
出かけることにしました。
というのも…

岐阜の舞妓さんがご出演されるので…一度お目にかかりたいと思って…

「岐阜に舞妓さん?」

とお思いになった方もいらっしゃるかと思います。

喜久雛表紙.jpg

実は、岐阜の舞妓さんである「喜久雛」さん。
18年ぶりに誕生した舞妓さんで
普段は短大生として、そして学生以外の時間は
お座敷にあがったり、日々お稽古に通ったりされているそうです。

地元のフリーペーパーa un(あうん)さんに
詳しく取材を受けられた際の記事がありましたのでリンクしておきます。
http://aun-web.com/feature/6240.html/4

この18年ぶりの岐阜の舞妓さん誕生を支えたのが
岐阜でお座敷文化を継承し、
日本で数少ない「幇間」でもいらっしゃる喜久次さん。
※幇間:花柳界等のお座敷で、酒の席を盛り上げることを生業とする男性。

このお2人がライブステージで踊りとお話をされるとのことでしたので
楽しみにしておりました。

お2人は普段のお座敷の他に、お座敷あそび入門講座など
一般の方々にお座敷の楽しさを広めるべく様々な企画をされていて
実は私もフリーペーパーや
知人の方に教えていただいた喜久次さんのブログ
http://ameblo.jp/kikuzy/
そちらで度々内容は拝見していたのですが、
なにぶん平日はフルタイム勤務で残業あり
となるとなかなか都合がつかず…残念な思いをしていたのでした。
そんな中での今回のこのイベント。
日曜日のお昼間となれば、これは行かなくては…
という訳で無事にお2人のご出演時間の前に到着。

喜久雛.jpg

この日は舞妓さんの姿の特徴をひとつひとつ、
喜久次さんが、時にユーモアを交えながら説明してくださり
会場は和やかな雰囲気に包まれていました。

喜久雛さんは、まだ舞妓さん1年生なので、
口の紅は下にのみひかれるとのこと。
だらりの丸帯には紋が入っているのですが
これは現代で言うところの企業のロゴにあたるもので
舞妓が所属するお店
(今でいうプロダクションのようなものですね)の紋を
帯に入れているのだそうです。
なんでもその昔は10歳にも満たない子どもが舞妓として
街を歩いていたそうで、迷子にならないための
防止策ともなっていたそう。

「なるほどねぇ…」

髪結いの姿も1年目は「割れしのぶ」という型だそうで、
それから年数を重ねていくと「お福」という型になるそう。

そんな中、気になったのはお着物の肩上げと袖上げ。
以前に少し着付けも習っていたので…
ええ、やはり気になるのは着物。

「これ、知人のお子さんの七五三の時のスタイルに似ているなぁ…」
と思っていたら
やはり、意味があるそうで
これは舞妓さんが子どもであったことの名残で
こうして肩上げと袖上げをしているのだそう。

そして衿。
経験を積まれた舞妓さんの衿は白い衿で
舞妓さんになりたての方の衿は赤い部分が多いのだそう。
遠くから観ていた私にも、その素敵な紅の色は目に止まりましたが
実はこの紅の色。なんと全て刺しゅうで表したもの。

さらに正面から見ると帯の中でひときわ目立つ大振りの帯留め。
(舞妓さんでは、帯留めと帯締めのことを「ぽっちり」と呼ぶそう)
これはお店から代々伝わる品だそうで
真珠などの天然石をあしらった素晴らしい帯留め。

簪(かんざし)は毎月、
季節の花をあしらったものをさされるそうです。
季節を感じる立ち姿…良いですね。

それにしても本当に身につける物
ひとつ、ひとつが伝統工芸品のようで…
舞妓さんの姿にはため息が出ました。

そんな舞妓さんの喜久雛さんが、
瑞々しくも愛らしい舞姿を披露してくださり
喜久次さんも、これからシーズンとなる鵜飼の屋形船など
岐阜の夏の座敷舞として披露される
「かざをりえぼし」を舞ってくださいました。

かざをりえぼしとは…
明治前期の陸軍軍人で、吉田松陰門下生であった
山田顕義(やまだ あきよし)が
岐阜の長良川鵜飼を題材に明治天皇に
長良川の鮎を献上した際の感激の思いを詞にしたもの。

駅の高架下とは思えないほど、優雅な時間が流れておりました。

そして最後は喜久次さんの軽やかな声に導かれ
会場にいらっしゃった一部の方々による「お座敷遊び」の体験も…

イベント1.jpg

イベント2.jpg


この時には、お銚子の下に敷く「袴(はかま)」を裏返しに置き
交互に手を置く定番のお座敷遊び「金毘羅船々(こんぴらふねふね)」を
会場の一部の方が体験。

イベント3.jpg

中にはこんな愛らしいお客さま(?)も…

本当に楽しいひとときでした。

喜久雛1.jpg

最後には喜久次さんより上の
2つ折の上品なパンフレットを手渡しでいただきました。

中には喜久次さん、喜久雛さんをはじめ、
岐阜の船遊びなどが詳しく紹介されており
初心者の方々にも分かりやすいパンフレットとなっておりました。

少しの間ですが、岐阜の伝統のお座敷の姿が垣間見える
素敵なひとときでした。
そして、また機会があればぜひお目にかかりたいお2人でした。


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菜の花

さっそくブログ拝読しました!岐阜が誇る、舞妓さん、幇間さん。
生で拝見されて、至福のひと時でしたね!
図書館で、舞妓さん・幇間さん関連の著書などチェックして、昔、読んだことがありますが、生の「たたずまい」というのは、やはりすごいですよね。
(京都物産展の舞妓さんイベントなどで見ていても。。。)
私もブログチェックして、割と気軽に参加できそうなイベント、都合つけてみようかと思います。
ご多忙のなか、ブログ書いていただき、ほんとにありがとうございました。

by 菜の花 (2011-06-13 21:35) 

ユキヲ

>菜の花さんへ
コメントありがとうございます。
菜の花さんが以前、メッセージで教えてくださったおかげで
最近、喜久次さんのブログの方を度々拝見してて…
そんな中で、今回はちょうど我が家の新聞にイベントの詳細が
折込チラシとして舞い込んできたので「これは!」と思って
出かけてまいりました。
ほんの少しの間ですが、岐阜のお座敷の空気を体感できて
とても素敵なひとときでした。
この空気感が少しでも感じていただければ…と思って書いてみたら
やっぱり長文な記事になってしまいました(苦笑)
私も一度は「お座敷あそび入門講座」にお邪魔したいのですが…
(着物も着ることができるようになった訳ですし…)
なかなか予定が立たず…残念ですが、それを楽しみにして
私もいろいろと関連本を読んでみようかなとも思っています。
この日に喜久次さんが舞われた「かざをりえぼし」も
詩に趣があり、大変興味がわいたので
そちらもきちんと読んでみたいなというのもあって…
慌ただしい日々でしたが、とても心癒されたひとときでした。
by ユキヲ (2011-06-14 12:20) 

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