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「名古屋市美術館:視覚の魔術ーだまし絵ー」 [展覧会のはなし]

日曜日に放送されている
「日曜美術館」
http://www.nhk.or.jp/nichibi/index.html
案内役が檀ふみさんから…
「姜尚中(カンサンジュン)さんに変わりましたね」
個人的に…
檀ふみさんのナレーションが大好きだったのですけどね…
落ち着いた感じで。

「最近の女性アナウンサーのトーン、高くない?」
いや、まあ人それぞれの考えがあるので…
あくまで私の感じたことです(苦笑)

あ、すいません。話それました。

とはいえ…
リニューアルした番組も…1ヶ月観ていると…
「姜尚中さんの声も…なかなか好みかも(莫迦)」

さて、そんなある日のこと…
先週の日曜美術館で
片岡球子さんの特集が放送されていまして
(注:私は夜の再放送を録画なので朝の放送を観ている方とは1週ずれている)
次回の予告がなんと…
『だまされて“見える”錯視芸術の快楽』

「これ、名古屋市美術館で今、開催中の
 『視覚の魔術ーだまし絵ー』展じゃない?」

これ…たぶん関東・関西で今後、巡回するから…
今のタイミングで放送するのね。
とはいえ、全国放送…すごいぞ、名古屋市美術館。

実は行こうかどうか悩んでいたんですよ。
というのも…
先日のユニコーンのライブに一緒に出かけてくれた
高校の同級生のharuさんが
すでにこの展覧会に出かけたそうで…
こないだ会った時に
とても面白かったと嬉しそうに話をしてくれたので…

「気になって、気になって…(;´▽`A``」

とはいえ、先日エッシャー展。観たばかり。
でも、そうはいっても見逃せない部分がたくさんありまして…
なぜなら…

「この展覧会、福田繁雄さんの作品も展示されているし
 エッシャーの次に好きなマグリットやダリの作品も展示されているのです」

そう…まさに私好みの

「おいしいとこ取りのトリックアートの展覧会」

中世の西洋絵画から日本の浮世絵、さらには現代美術まで展示されて、
展覧会自体、非常にバランスの良い、楽しそうな展覧会のようなので…

「やはり、ここは行くべきかなと」

という訳で…土曜日のスクールを終えた後に、出かける事にしました。
結構、雨が強く降っていたお昼だったので…

「今月はトリックアート月間だ」と1人うかれながら
「今日は雨で天気も良くないから…そんなに人はいないだろうねぇ…
 今、ちょうどランチタイムの時間だし…」

と思ったら…それは甘かった。
「うはっ。すごい人」
久しぶりに土曜日に美術館に来ましたけど…
「チケット買うのに並んでますよ」
目測で…軽く40人ぐらいは並んでいたね。
いや、まあ、仕方がない。
土曜日は学校もお休みですからね。
とはいえ、事前にチケットは先に手に入れてあったので…
難なく入場。しかし…「会場内も、すごい人」
入り口には「10万人達成」の立て看板も…
「おぉ…なんだかダリ以来の盛況ぶりですね」
そうでした…前に、知人と出かけた「ダリ展」も
同じ名古屋市美術館でしたけど…
「あの時もすごい人でしたよ」
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2007-06-10

本当、土曜日ということもあって、家族連れが多いですね。
「トリックアートって、小さい子供でも楽しめるからね」
筒状の鏡面を使って見せるトリックアートなどは
ちゃんと拡大判で模型が作成してあって
小学校低学年ぐらいの子達が
楽しそうにぐるぐる周囲をまわって
「見えた!、見えた」と大喜び。

「楽しいよねぇ…見えてくるとね」
だまし絵図録.jpg
そう、アナモルフォーズ(ひずみ絵)は大人も子供も楽しめる作品です。
(図録にも銀の厚紙が付いていて、ちゃんと観ることができます…笑)

さて私、あまり中世の西洋絵画にはあまり詳しくない
というかあまり好みの作品がないのですが…
今回、久しぶりにテンションがあがりましたね。
それは…ウィリアム・マイケル・ハーネットの作品。
WMハーネット.jpg
(図録に掲載されているものを撮影しました)
「狩猟用のホルンに巻かれた綱の質感から狩猟でしとめた
 マガモやヤマウズラの羽の質感の描き方が秀逸」
アメリカン・トロンプイユ
(トロンプイユとは目だましの意)
本物と錯覚させるようなその描写力には圧巻でありました。

とはいえ、私の大本命…
もちろん福田繁雄さんやエッシャーもそうですが今回は…

「マグリット」

エッシャーの作品も展示されていましたが…
先日観た作品ばかりでしたので…
今日は久しぶりにマグリットをじっくり鑑賞。

「豊田市美術館などでも常設展などで、
 1点ものの作品は観たりしているけどね」

マグリットも…好きになったきっかけは
エッシャー同様、中学の美術の教科書の作品から。
マグリット1.jpg
(図録に掲載されているものを撮影しました)
「想像力をかきたてられる…この不思議なところがいい」
マグリットの描く鳥が好き…でもこれ、雪山なんですよね。
「ダブルイメージというやつですね」

あと…「落日」というタイトルの作品。
マグリット2.jpg
(図録に掲載されているものを撮影しました)

「本当に日が落ちてますけど(笑)」
いいよね…マグリット。
マグリットDM.jpg

おかげでポストカードについ手がのびてね…(;´▽`A``
(とはいえ、これらは今回の展示ではない作品…笑)

あとは…お気に入りの福田繁雄さん。
福田繁雄の天使.jpg
(図録に掲載されているものを撮影しました)

「懐かしの『クイズおもしろゼミナール』のトロフィーを思い出しますね」

覚えている方がいらっしゃると嬉しいのですが…
福田繁雄さんは、以前にNHKの番組「クイズおもしろゼミナール」の
あの「?」が角度を変えると天地逆になる像が見えるという
ちょっと変わったトロフィーを制作されていたんです。
そう。この作品も原理は同じ。
片方からは天使が見えますが…90度移動すると…見えるのは「サンプル」という英文字。
「この発想が大好きです!」

なんて浮かれていたら…
な、なんと、アーティストとして活躍している福田繁雄さんの娘さんである
福田美蘭さんの作品も隣に展示してありました。
福田美蘭.jpg
(図録に掲載されているものを撮影しました)

「福田美蘭さんの作品は初めて見るなぁ」

福田繁雄さんは今年お亡くなりなって…私も残念なのですけど…
こうして意外なところで福田親子の競演を観ることができて…

「やっぱり来てよかったなぁ」

あとは、以前に日曜美術館で紹介されていた
「木村伊兵衛賞」
(注:朝日新聞社主催による写真の賞)
を受賞した写真家、本城直季さんの作品もこの目で見ることができて
とても嬉しかったです。
本城直季.jpg
「ええ、ミニチュアとかジオラマ好きなので…」
大判カメラの特徴を活かして撮影することで
風景や人物などが、まるでミニチュアのように見えるその作品。
書店などで写真集を目にしてから非常に気になっていた作家さんでした。

最近、複数の作品展示の企画展はアタリが多いですね。
(最近のアタリは、岐阜県立美術館で開催されていた「円空展」)
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2009-03-21

やっぱり思いっきり出かけてみて良かった。
と、帰宅後図録を見返して…
余韻に浸って、眠った翌日の日曜日…
そう今日のお話。
午前9時から放送された「日曜美術館」で
『だまされて“見える”錯視芸術の快楽』と題して
今回観てきた展覧会の作品解説も交えながら番組が進行。
行ってきたばかりだったので、とても楽しめました( ´艸`)

そんな番組の終盤で出てきた言葉が非常に印象に残りました。
それは…

「本質を見極める健全な懐疑精神」

全部を疑うと疑心暗鬼になり、まどわされますが
健全な懐疑精神(ごくごく一般的な懐疑心)は必要という
内容のお話でした。

「健全な懐疑精神」

いい言葉ですね。
そう…最近よくある「オレオレ詐欺」
これのことにも言及されていて

『「自分はだまされない」なんて思っているってことは
 疑わないこと…つまりだまされやすいってことで…』

ふふふ…それは本当、正しいですよね。
ええ、健全な懐疑精神…私も持ち合わせたいものです(笑)

今朝放送されていたものは
5月24日(日)午後8時から再放送されるようです。
興味のある方はご覧になられてはいかがでしょうか?
もちろん、実物を観ることをおすすめいたします(笑)
名古屋市美術館で6月7日(日)まで開催中です。
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whitered

こんにちは。お久しぶりです。先週の『日曜美術館』観ていましたよ。うろうろ家事をしながらなので、集中はしていませんが・・・。マグリットは何回か日本に来ているようで、すっかりおなじみになりましたね。エッシャーは長崎のハウステンボスと提携しているとか。おみやげにハンカチや扇子をもらったことがあります。楽しい絵ですね。作者の想像力の広がりに感心します。先日の『日曜美術館』にも、皇帝の顔を60種以上の果物や野菜で描いたものがあって、<万物を司る王>を表しているのがあって、グロテスクだなと思いながら、なるほどと納得していました。名古屋市立美術館も良さそうなところですね。こないだ大阪市立美術館で『小袖展』を観ましたが、昨年に名古屋市立博物館で開催したと図録に書いていました。良い展覧会の中心地でもあるようですね。また注目しています。
by whitered (2009-05-18 08:48) 

ユキヲ

>whiteredさんへ
こちらこそ…ごぶさたしております。
(いつも読み逃げばかりで…苦笑)
nice&コメントありがとうございます。
whiteredさんもご覧になってたんですね(^^)
マグリットはその独特の絵の世界のせいか…
観るとなかなか忘れられませんね。
エッシャー…
先日の名古屋の松坂屋美術館で観た「エッシャー展」も
ハウステンボスからの作品が多数展示されていました。
国内であれだけの所蔵があるとは…本当にすばらしいです。
ジュゼッペ・アルチンボルド作の「ルドルフ2世」
あれはすごかったですね。全部植物で表現するとは(笑)
そう、色とりどりの果物と野菜で華々しく表現しながらも
例えば「栄えているものは必ず滅びる」という意味合いをからめて
栄華を極めている王の肖像を、末に朽ち果てる運命の果物と野菜を
描くことで、宮廷画家としての本心をそっとしのばせるあたりが…
さすがですよね。

名古屋市美術館は、黒川紀章さん設計の美術館で…
建物の部分、部分に名古屋の伝統的な建築物の意匠を取り入れている
「建築物」としても非常に興味深い美術館です。
地下にいながらも通路を出ると、豊かに光が差し込む空間は
私もとても好きなところです。
名古屋市美術館は近代美術の企画展が多いですし…
名古屋市博物館は、日本の伝統美術に関する企画展が多いですね。

大阪もとうとう「小袖展」始まったんですね(^^)
そういえば…
以前にwhiteredさんがブログで紹介されていた
「生活と芸術―アーツ&クラフツ展」
名古屋ではもうじき愛知県美術館で始まるので私も
今からとても楽しみにしています(^^)v
by ユキヲ (2009-05-18 13:24) 

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