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「Save the Frogs」 [作品制作のはなし]

今回、私の作品が展示された
名古屋造形同窓会40周年記念展「デザインムーブメント」
http://www.nzud.jp/main/main_02_data/main_02_2008.html
会期中、お忙しい中、そして天候の悪い中、
会場まで足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
おかげさまで本日、無事に終了いたしました。

最終日には、ここ数年参加している杜の宮市に必ず顔を出してくれる
高校時代、同じ美術部だったharuさんが来てくれて
タイミング良く会うことができて…嬉しかったなぁ!
久しぶりにちょこちょこっと話をして…
「またお茶しようね!」と言ってお別れしました。

あと、以前に個展にもお邪魔したイノさんこと猪子さんにもお会いできて…
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2008-10-27-2
作品の感想とかじっくり伺えてとても嬉しかったです。
そして猪子さんは次回の覚王山春祭りにも参加されるんだとか。
http://www.kakuozan.com/festival/2009/spring.html

秋のお祭りの時には電気グルーヴのライブ当日だったから
お着物で遊びに行けずだったのよね(苦笑)
「今度はぜひ着物で参上したいです」
と、またそんなお話をして(笑)お別れしました。

そんな中、時間をみて、記帳されたノートを拝見させていただくと…
会期中、記帳された人々の名前に私の知人や友人、
そして絵画教室時代の恩師の名前を見つける
「皆さん、ありがとうございます」
にしても…
「この教授クラスの面々は…私、その時、会場にいたら…冷や汗ものですね」
というのは会期の前半と思われるノートのページ。

森田教授から伊藤豊嗣先生まで…私が現役の学生の頃、
指導をしてくださった先生方が、このノートにお名前を残されている。

「どんな風に私の作品を観てくださったんだろうか…」

やはり指導してくださった先生方なのでね…気になりますよ。それは…
と思っていたところに…
展示責任者の源さんが声をかけてくださいまして…
『会期中…伊藤豊嗣さんが、いらっしゃってね…
 「いい作品だなぁ」って話してたよ』とのこと。

「え!あの伊藤先生が!」

実は、この伊藤豊嗣先生。1996年、私が在学中の頃…忘れもしません。
第15回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで銅賞獲得されている。
もう私たち学生の中で、「ポスターと言えば伊藤先生」というぐらい…
そんなお方です。はい。

「あの伊藤先生が!!!」

現役時代、直接指導を受けた先生からの感想だっただけに…
非常に嬉しかったです。

いやもう先生ではなく現在は伊藤先生、教授になられているのですけどね(苦笑)

他にもこの数日間は…日替わりで
友人・知人から作品の感想などをメールで届けてもらって
私自身、とても嬉しかったし…
「本当、作品作ってよかったなぁ」としみじみ。
だからもう…本当にね…
「涙でそうでしたよ」

本当に、今回の作品制作は、良い経験となりましたよ。はい。

にしても…何でも搬出っていうのは…早いですよ。本当。
なぜかというと…

「本当、ばらすだけなので(笑)」

会期終了の5時を過ぎてから作業にとりかかりましたが…
ものの30分ちょっとで終了でした(*´σー`)
というか…まあ…久しぶりの作品展示ということもあって…
空になってしまったギャラリーのスペースを見つめたときには
少々寂しかったですけどね。
でもちゃんと写真に残しておきましたから…大丈夫です。
(おぉ、バックアップを忘れないようにしなくては…笑)

それから…B全パネル持った私は
地下道でパンプスのヒールの音をカツカツ言わせながら…地下鉄に乗車(爆笑)
帰りはちょっとラッシュタイムが心配だったので…
安全圏で桜通線に乗り換え移動し、JR線をつかまえて無事に家に到着しました。

さて…都合がつかずに来場できなかった方もいらっしゃるので
作品の方、早々にアップさせていただきます。

今回の作品のテーマは「Save the Frogs」
現在、環境破壊やカエルの命を脅かすツボカビ病などで
カエルをはじめとする両生類の個体数が減少していることを
皆さんに知ってもらうためこのようなテーマを選びました。


で、完成し、展示した作品はこちらです。
savethefrog1.jpg


savethefrogA.jpg
「彼らの声が消えてゆく、そして自然も消えてゆく。」

こちらのコピーの下にはこんな説明文を加えました。

地球の温暖化による気候の変化、
そして森林や水辺の減少による生息地の急速な変化により
カエルをはじめとした両生類の約半数の種に個体数の減少がみられ、
全体の32%の種が絶滅の恐れに直面しています。
環境の変化による影響を最初に受ける彼らが、私たちの周りの自然環境に迫る危機を
身をもって訴えているといっても過言ではありません。


savethefrogB.jpg
「彼らの声を守ること、それは自然を守ること。」

こちらのコピーの下にはこんな説明文を加えました。

環境の変化に敏感なカエルをはじめとした両生類達。
彼らの声が消えゆく今、森林や水辺の保全など彼らの住みよい環境を整えることは、
彼らの多くの命を救うだけでなく
動物、植物、そして私たち人間をとりまく生活環境をより快適にし、
さらには地球全体の自然環境の保全へとつながります。


実はこの2つの作品には私の中で、それぞれタイトルがあるのです。
それは…
黒地に白抜きのカエルの作品は「絶望の調べ」
白地に虹色のカエルの作品は「希望の調べ」とつけています。

なぜかというと…
savethefrog2.jpg
このそれぞれのカエル達…実は全て大小の音符でできているんです。

音符は私の中では彼らの声を表しています。
そして音符は…別名…「おたまじゃくし」とも呼ばれるので(笑)
それにも少しかけています。

黒地の作品では、彼らの声や命が消えゆくイメージで
カエルを作り上げている音符を崩壊させています。

ちなみにこの音符達…
実は、童謡「かえるの合唱」に使われる音符をトレースして
それを大小大きさに変化をつけながら、配置しています。
ええ、やるなら徹底的に…「かえるの合唱」ということで…

「そう。そういう変なとこ、妙に凝っちゃうのよね…」

ええ、元々凝り性ですから(笑)

そう、遠くから観て「カエル」と分かってもそこで終わらない
もうひとひねりの発想(今回で言うところの音符の部分など)は…

「絶対に、福田繁雄氏とM.C.エッシャーの影響が大きいだろうね(笑)」

私…どちらも大好きだもの(;´▽`A``

とまあ、そんな訳で作品をご紹介してみましたが…
皆様、いかがでしょうか?
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コメント 8

スガジュン

ご無沙汰してます(^-^)
素敵な作品ですね!
音符のアイデア、素晴らしすぎます。
ツボカビ病はカエルに限らず、
両生類すべての脅威なので…。
なんとか食い止められることを祈りたいです。


by スガジュン (2009-03-16 12:19) 

whitered

こんにちは。ポスターのUPありがとうございます。素晴らしい!の一言に尽きます。よく見れば細部にまで神経が行き届いていますね。二枚のポスターが対になっているのですね。どちらか一方では未完成・・・同じ形(配置)のカエルたちがたどる未来の道筋を明確に表現されましたね。くずれていく音符のアイデアも素晴らしいです。長い間、熟考されたのでしょうね。悲しみのカエルたちの横に、希望のカエルたちがいて、なんだか救われる感じがいたします。音符=精神性のバランスで生命が保たれていたのかとも思えるこのアイデアは、次のステップにも使えそうですね。今後も益々磨きをかけてくださいね。まずは、おめでとうと言いたいです。
by whitered (2009-03-16 18:54) 

ユキヲ

>スガジュンさんへ
コメントありがとうございます。
音符のアイデア…自分でもよく到達できたなと…
もうひとりの自分も今だに不思議がっています(笑)
ツボカビ…そうなんですよね。
カエルだけではなく両生類全体の問題なんですよね。
なかなか自分たちより身体が小さい生物で…
最近は特に都会では見かけないですからね。
少しでも多くの方に現実を知ってもらって、
何かしら彼らの将来のためにできることを行っていきたいですね。


by ユキヲ (2009-03-16 23:11) 

ユキヲ

>whiteredさんへ
nice&コメントありがとうございます。
大きな作品ほど…細かい部分までつめていかないと…
どうしても粗が目立つので(苦笑)
今回は気合いを入れて仕上げました。
最初は、1人1点のはずが会場や参加人数の関係で2点となり…
冷や汗だらだらだったのですが…
そこはもう考えようで「だったら2枚でないとできない作品を」
と考えて…良い意味で自分を追い込みましたね(笑)
でも、それが上手くまとまり形となり、ひと安心でありました。
厳しい現実を表現することも大切ですが…
それを回避できることも示したい、希望を見せたいと思い
後追いでできたのが左の「希望」の意味を込めた作品です。
この作品ができたかげで、やはり黒地の作品が
1点の場合よりも、より活きてきましたね。
いろいろな試行錯誤が結果的に良い作品に仕上がり
久しぶりに良い達成感を得ることができました。
by ユキヲ (2009-03-16 23:19) 

Miltmozmmer

お疲れさまでした〜。
タイミングを逃し記帳はしてきませんでしたが、
作品は拝見してきましたよ♪
こういった展覧会に行く機会がなくなっていたので、
久々に刺激を受けました!
by Miltmozmmer (2009-03-19 17:36) 

ユキヲ

>Miltmozmmerちゃんへ
コメントありがとうです。
そしてお忙しいところ、ご来場ありがとうございましたm(_ _)m
私も…本当、久しぶりで…展示が完了するまでは
もうドキドキ、ヒヤヒヤものでした(;´▽`A``
作品の面積と比例して心配も絶えずでねぇ(笑)
でも、また自分にとっては良い経験になったかな。
一緒に展示させていただく先輩方の作品の表現や年齢層も
とても幅広くて勉強になりましたし…
これからも機会をみて大きな作品制作はチャレンジすべきだなと
あらためて感じました(*´σー`)
by ユキヲ (2009-03-19 21:47) 

By-O

展覧会お疲れさまでした!

僕は趣味で詳しくないのですが、現代アートの鑑賞は好きで。。。
(余談ですが最近のブームで知ったShepard Faireyも大好きです)


これまで見せていただいたユキヲさんの暖かいイラスト等の作品も
本当に良いのですが、今回のメッセージ性やアプローチも驚き、
素敵に思いました!

「希望の調べ」、特に好きです!
僕のような素人がお恥ずかしいのですが。。。(^ ^;

by By-O (2009-03-20 03:03) 

ユキヲ

>By-Oさんへ
コメントありがとうございます。
いやはや…本人の多大な心配をよそに(爆笑)
無事に自分の作品が展示される会期は終了しました。
(今週はファインアート中心で立体作品が多い展示になっています)
Shepard Fairey…
たしか「レッド ツェッペリン」のアルバム・カバーの
デザインをされた方ではありませんでしたか?
私も名前を知ったのは最近だったのですが…
元々、自分がクッキリ、ハッキリとしたデザインやイラストが
好きなので…「あ、この人のデザイン好きだなぁ」ぐらい
だったのですが…それがまさにShepard Faireyでした(;´▽`A``

作品…
お褒めいただき恐縮です(;´▽`A``
でも、本当、そういっていただけると嬉しいです。
あたたかいイラストのベースはたぶん、小さい頃に祖母や両親
などの影響で自然と備わった感覚だと思われますし…
今回のデザインなどは、短大受験の際に通っていた絵画教室や
短大での授業で備わったのかもしれませんね。
でもやはり、どちらも大好きな表現ですし…
どちらが欠けても私はは成立しないんだろうなぁと
今回、久しぶりに大きな作品を制作してしみじみ思いました。

「希望の調べ」気に入っていただけて嬉しいです。
「絶望の調べ」の作品は意外にすんなり方向性が決まり
形にもできたのですが…(ある意味、表現しやすかったので)
実は「希望の調べ」は、仕上がるまでが…
かなり難産だったんですよ(笑)本当、すごく悩みました。
そんなある日の通勤時にあいかわらず手持ちのCDの曲を満載した
自分のiPodnanoを聴いていた時に
「虹」というタイトルの曲を耳にして
「あぁ、虹って…そういえば見るとなんとなく嬉しくなぁ」
と思って…色合いも天高く上昇している感じもしますし…
「希望とリンクするかも…」と思って…で「コレだっ!」と…
右手に神様はおりてきませんでしたが(笑)
神様がヒントを耳元でささやいてくれたのかもしれません(*´σー`)

by ユキヲ (2009-03-20 12:09) 

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