「寄藤文平という人」 [デザインetcのはなし]
寄藤文平(よりふじぶんぺい)さん
アートディレクター・イラストレーターとして活躍されている方である。
毎週、何かの雑誌を手にする人ならば、一度は見たことのある
JTの広告「大人たばこ養成講座」…コレをを描いている人ことこの寄藤さん。
たばこを吸わない私も書籍化された時には
思わず手に入れてしまったぐらい、この人のイラストには何やら引力がある。
その寄藤さんが「情熱大陸」で取り上げられていた。
http://mbs.jp/jyonetsu/index2.html
私が寄藤さんのイラストを知った頃は数年前…
アルバイト情報誌「an」の表紙だった。
一番印象に残っているイラストは今でも覚えている。
確か「好きなケーキ」というお題で
アンケートをした結果をもとに
それぞれのケーキの種類が寄藤さんテイストに描き分けられていた。
その中のショートケーキにふと目が止まった。
なぜなら少々奇妙な形をしていたからだ。
寄藤さんが描いたショートケーキは、イチゴの乗った普通のアレではない。
では何か…
寄藤さんは1人前サイズに切り分けたケーキの土台を描いた上に
ベースボールグラウンドと野球選手を描いていた。
野球選手の彼はグラブを持って構えの姿勢でボールを待っているかのようだ。
そう、切り分けられたスポンジケーキの上では、ショートを守る野球選手がいたのだ。
「た、確かにショートケーキだわ」
これが分かった時、思わず「プッ」と吹いて、そして「やられた!」と思った。
番組内でも紹介されていたが
「イラスト」(illustrate)とは、もとはラテン語で
「光を当てる」という意味がある。
そこから転じて「クリアにする、説明する」という意味が生まれたのだそうだ。
寄藤さん、「イラスト」とはまさに、あなたのためにある言葉ですよ。
ヒトの排泄物から死まで表現してしまう。
そしてショートケーキにベースボールグラウンド作ってしまう
あなたはステキだ。
誰かのココロにそうやって、自分の作品が残るって気持ち良いことだろうな…
寄藤さんの仕事ぶりを見て、あらためてそう感じた。
そして、自分も何らかの形で誰かに何かを伝えてみたいと思う今日この頃…
とはいえ、まだまだ修行が足りんな(苦笑)
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