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「柿沢安耶さんのトークショーに出かけてきました」 [食べ物のはなし]

東京・中目黒にある野菜を使ったスイーツでおなじみの
オーガニック野菜スイーツ専門店
「パティスリー・ポタジエ 」
http://www.potager.co.jp/
こちらのオーナーパティシエの柿沢安耶さんのトークショーが
名古屋のパルコで開催されるとのことで出かけてきました。

パルコ20周年の企画として開催されたこのトークショー。

私はセゾンカードを利用している関係で
請求書と一緒に、毎月、パルコの案内をいただくのですが
そこに今回のトークショーの案内があったので
早速、携帯電話から応募。

「でも、開催日の1週間前になっても来ないから…もう落選かな」

と思って矢先に…

「当選メールが届く」

あわてて仲良しのお友達に連絡。
晴れてお出かけとなったのでした。
そう、柿沢さんのことは…情熱大陸にご出演されていた姿を観て
http://www.mbs.jp/jounetsu/2008/10_26.shtml
折に触れて彼女の食に関する活動を知ることに…

「同年代の、それも女性のパティシエさんが食についてこんなに熱心に活動されている」

その姿にもうすっかり心うたれてしまって…

そうそう、ポタジエのスイーツといえば…我が家も2月にお買い上げ。
「バレンタインチョコ」をね。
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2009-02-15
これがまた今までにない味わいで本当、驚きでした。

そんなこんなで今日のトークショーがとても楽しみでした。

定刻通りにトークショーが開催。
今までテレビのモニタ越し、もしくは雑誌を通して拝見していた柿沢さんが…

「目の前に」

そう、早くに到着したのが功を奏して、最前列、
それもかなり柿沢さんに近い距離でお話を聞くことができました。

柿沢さんが野菜好きになったのは
意外にも幼少時、ぜんそくとアトピーの持病があり
身体が弱かった柿沢さんにお母様が作られた野菜中心の食事が
きっかけになっているのだそう。
とはいえ、学生時代はフランスへの興味が高じて
そえから個人レッスンをきっかけにフランス料理のことを知り
フランス料理店でアルバイト…そして本場フランスへ短期留学に。
しかし、バターや脂をたっぷりと使う料理が自分には合わないことが分かります。

「毎日食べても身体になじむような、そして元気になる料理を…」
と考える柿沢さん。
そんな折に「マクロビオティック」と出会い
(玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とした食事法)
その食事法や「身土不二」という考え方など食を大切にする考え方に
に共感した柿沢さんは新鮮な野菜を使って料理を提供する
レストランを栃木にオープンさせます。

このレストランは
その地域の自然環境に適した産物を取り入れることで
心身が環境に即するという考え方である
「身土不二」を実践したレストラン。
栃木にレストランを開こうと思ったのは
有機栽培をしている農家の方々が多かったからだそう。

そうしたレストランの開業をきっかけに、
畑に育つ野菜を間近で目にした東京生まれの柿沢さん。

「野菜はこうやって育つんだ。こうやって実がなるんだ」

畑に足を運ぶことで、そうした野菜への素直な気持ちと共に
日本の農業人口が高齢化、そして減少している現実を目の当たりにし

「日本で栽培されている野菜から見えてくる日本の農業の現実を含め
 野菜に対する考え方などを多くの人に伝えたい」

という思いが沸きあがる柿沢さん。

しかし自分と同世代の20代、30代の女性をはじめとする
日本人の野菜の摂取量の不足。
さらにはお店で収穫された「作物」だけしか知らないが故の

「野菜を身近に感じられない現実」

この状況をなんとか良い方向に導きたいという思いから
柿沢さんは野菜のスイーツを作ることに…

「まずは野菜に興味を持ってもらいたい」

そこから次々と、野菜本来の旨味を活かした
目で楽しみ、そして舌で味わえる
野菜スイーツを生み出されています。

今回のトークショーではスライドでその一部が紹介されましたが
どれも「どんな味なのかな?」と想像力がふくらむ
彩り豊かなスイーツでした。

柿沢さんの解説と共に見せていただけたのでとても興味深かったですね。

ゴボウを使おうと思った際に、調理法を試行錯誤していたら
「バターで炒めることでナッツよりも油分が少なく香ばしい風味に」
さらに、切り方一つで口の中でのスポンジとの調和が
全く違うことに気がついたのだとか。
(角切りは食感、風味ともに絶妙だったのですが、
 ささがきにしたところ、繊維が多い部分が強調され、
 ごぼう本来の味が強く出てしまいお菓子にはあまり向かないとのこと)
そんな試行錯誤から生まれたのが「ゴボーショコラ」だそう。

レモンは色の強い食材の色止めの効果があるそうで…
さらには適度な酸味を加えることができるのだそう。
その例として、アボガドの上にレモンゼリーを乗せた
「アボガドレアチーズ」というスイーツが映し出されました。

さらには「パサパサした食感の芋類は男性は苦手とする方が多い」
と知った柿沢さんは…
「それならば、口あたりの良い滑らかな形にしたら食べやすいかも」
と、思ってできたのが「スイートポテトミルクゼリー」だそうです。

さらに柿沢さんの研究は続き…

「長ネギは、タマネギと違い、炒めたりすると苦みが出るので…
 オーブンでじっくり時間をかけて焼くことで、トロっとして
 そして長ネギの甘みを引き出すことができました」
と笑顔で語る柿沢さん。

春菊に至っては…

「西洋では『オペラ』というバタークリームをサンドするケーキがあるんです。
 でも、バタークリームは口当たりも重たいですし…たくさんいただくのには
 身体にちょっと負担がかかりますよね。
 なので、食材自体がペースト状になりやすいさつまいもを
 バターに見立て、そして春菊を加えることで
 しっとりとしたチョコレート生地と組み合わせてシュンギクオペラができました」

春菊を使ったスイーツを作ったことでお客さんから「和風の味ですね」
と声をかけられたことで…

「日本にも独特の味を活かしたスイーツ、『よもぎもち』がありますよね。
 それを考えると、春菊もよもぎと同じだなぁと。
 そう…春菊でないと、このシュンギクオペラの味がぼやけてしまうんです。
 春菊だからこそ…このスイーツの味が活きてくるんです」

味への探究心にも恐れ入りますが…
私が思わず唸ってしまったのがその彩りと形造りの工夫。

「白菜のライチムース」は上から見た、1玉の白菜の姿に見立ててあり…

中でも「グリーンアスパラのムース」は、秀逸。

「グリーアスパラには、ほうじ茶のスポンジを、
 ホワイトアスパラには、紅茶のスポンジを使ってみました。
 中央の上にアスパラをあしらったのは…
 スポンジを土に見立てて…土から生えたアスパラガスに見立ててあるんです」

こういう造形のアイデアも、畑に直接出向いて
野菜の成長を垣間見て、農家の方々と向き合っている柿沢さんならではですね。
※店舗で販売されている生ケーキのことがこちらで詳しく紹介されています。
http://www.potager.co.jp/user_data/shop.php

さて…実は今回。トークショーに参加した
私達にはなんと試食もさせていただけることに…
その試食した品とは…
愛知県の伝統野菜として栽培されている「奥三河天狗なす」を使用した
「天狗なすのパウンドケーキ」

その噂の天狗なす…
柿沢さんが着席された目の前のテーブルの上に置かれていたのですが…
人の顔の大きさほどあるのですよ∑(゚Д゚)

柿沢さんは…
「茄子は、皮をむくと、青林檎に似た香りがするとのことから…
 コンポートにして使うことにしました」

甘みのある味をしっかりと含み、やわらかく煮込まれた茄子が
固めのパウンドケーキの生地とあいまって口のなかで絶妙な味わいに。

途中からは天狗なすを栽培されている農家の方も登場して
どういう経緯で天狗なすが市場に出回るようになったのか
そしてまたそれに伴った苦労話や野菜にまつわる話などなど
野菜を育てているからこそ知り得る貴重なお話を
時にユーモアに、時に真剣に語ってくださいました。

最後には、柿沢さんが実際に普段、料理されていただいている
昼食や夕食の料理の映像を交えながらお話が続きました。
映像の中には、お米やパスタが少ない
野菜をたっぷりと使った「具沢山チャーハン」や「具沢山パスタ」が登場。
それを見つめながら柿沢さんが言われたことは…

同じ季節に収穫される野菜なら、
自然と味に調和が生まれ、美味しくいただけること。
そして無理をしない範囲で自炊をすることで
5年後、10年後の元気な自分の身体を作ることができること。

本当、現在ではこうした講演活動や、子供達の将来を見据えた「食育」にも
力をいれてお忙しくしている柿沢さんですが
お肌はツヤツヤ、そしてご自身が語られる通り、
「風邪知らず」なのだそう。

いやはや…良いお話をたくさんうかがえた大変ありがたい60分でありました。

最後にはサイン会も開催され…
柿沢さんのサイン.jpg
私もお買い上げした書籍にサインをいただきました。

野菜図鑑.jpg
今回私がお買い上げしたのは…こちら。

私は、お義父さんが育ててくれた新鮮なお野菜を
時折、いただいているのですが…

「どうしても調理法がいつも一緒になりがちで(苦笑)」

もちろん、新鮮な野菜だからこそ、
逆に調理法に凝らなくても美味しくいただけるのですけど…

「もう少し、レパートリーを増やしたい」

野菜図鑑中面.jpg
というので…こちらのレシピなどがとても美味しそうだったので( ´艸`)

野菜図鑑ポイント.jpg
「野菜選びや保存法のポイントも書いてあるところがまた良いですよね」

ええ、だいたい分かっているつもりでも…

「やはり、ちゃんと知っていると後々、役立ちますもの」

という訳でお買い上げしたのでした。

サインをいただく間、チョコレートをお買い上げして
美味しくいただいたことをお伝えしたら
笑顔で「ありがとうございます」と声をかけてくださった
柿沢さん…この方の笑顔を間近で拝見して
あらためて…

「本当、そのままスイーツに反映されているなぁ」と。

自然のままの色合いで…それでいて優しい味の所などが…
柿沢さんの人柄そのままだなあと。

今日はあこがれの人にお会いできて…
良いひとときを過ごすことができました。

野菜スイーツ.jpg

帰り道、特設会場で販売されていたスイーツもしっかりお買い上げ( ´艸`)
(こちらの期間限定ショップは9月23日(水・祝)まで西館の7階に開設されています)
またゆっくりいただきたいと思います。
今日はいろいろなことに感謝、感謝のひとときでした。

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