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「向田邦子の世界展」 [テレビのはなし]

5月15日(木)から26日(月)まで
ジェイアール名古屋タカシマヤ開催されていた
「向田邦子の世界展」に出かけてきました。
向田邦子の世界展.jpg
2回も(笑)

というのも、以前出かけた
「大北海道展」
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2008-04-14-2
とか
「大京都展」
http://yukiwochannel.blog.so-net.ne.jp/2008-05-10-2
で、買い物するたびに、
この催しのチケットの招待券をもらってしまい
結局、自分の手元にはたくさんのチケットが(苦笑)

杜の宮市で妹に会った時に2枚、あげましたけどね。
どうやら母と出かけたみたいで…
後日、母からお礼のメールが届きました。

「いえいえ、どういたしまして」

ちなみに、私の場合
1度目はちょうど、タカシマヤの美術画廊で
「志村ふくみ」さんの個展が開催されていた期間に
会社の仕事が定時に終わった日にふらりと。
そして2度目は先週の和裁のお稽古の後。

どちらも比較的空いていて…
ゆっくり見ることができました。

会場に入ってすぐの所には
幼少時代の向田さんを垣間見ることができる
写真や学校の卒業証書、
そして亡くなる直前まで愛用されていた
品々が展示されていました。

私は文庫本で「父の詫び状」を以前読んだことがあり
その中の引用が多々あって
「ああ、これも読んだなぁ」と思いながら
幼少時代の向田さんの写真と照らし合わせながら
引用文をひとつ、ひとつ読みふけっていました。

愛用されていた品々の中には
万年筆があったのですが…
私はてっきり、向田さんのことだから、
1本の万年筆を大切に使っているタイプかと思っていたのですが
向田さんは、先の丸くなったペンをご愛用されていたとかで
よく友人・知人より先の丸くなったペンを譲り受けていたようです。
私の読んでいなかったエッセイにそのことが
どうも書いてあるようで、パネルにその文章が引用されて
いたのですが…
手元にある数々の万年筆のことを
「本妻」云々とたとえて呼ぶところが何とも向田さんらしいですね。

先へ進むと、向田さんが実際に身にまとっていた
お洋服や帽子、そして靴などが展示されていました。
エルメススポーツのシャツなどは色違いで数着
展示されていたのですが
向田さん、気に入ったものは色違いで何点かお買上げしていたようです。

給料をはたいて購入されたという水着を着て
写っているスナップは、まるで女優さんのブロマイドのよう。

妹さんもこの「女優並み」のポーズの決め具合には
驚かれたと、本の中で書かれていました。

他にも、収集していた陶磁器や、料理本などでも
着用されている姿がおさめられている
色の切りかえしが素敵なエプロンまで
様々なものが展示されていました。

中でも感動したのが
「寺内貫太郎一家」、「あ、うん」、「冬の運動会」
そして「阿修羅のごとく」などの直筆原稿。

「阿修羅のごとく」を文庫本で何度も読んだ私は
もう、胸がいっぱいになりました。

そして、「脚本家」という仕事柄
俳優さん、女優さんとの交流も深かった
向田さんのもとへ届いた様々な方からの書簡。
こちらも展示されていたのですが…
「向田邦子スペシャルドラマ」のナレーションでもおなじみの
黒柳徹子さんから、ドラマで出演されたことで交流のあった
桃井かおりさんなど…それぞれの人柄があふれる、
素敵な書簡を見ることができました。

最後には、あの飛行機事故の新聞記事がパネルで紹介されていて
森重久弥さんが書かれた「弔辞」も拝見することができました。

向田邦子さんのスペシャルドラマが10代の頃から
大好きだった私にとっては、今回の企画展は
とてもうれしかったです。

そんな中で今回、一番心に残った言葉。
「女の人差し指」という本の中の
「胃袋」というところに出てくる一文。

「射手座には口に毒があり
 ひとつのところにじっとしていられれない
 おっちょこちょいな性分」

これには、思わず苦笑い。
かくなる私も射手座。
向田さんの性分が痛いほど分かってしまいました。

向田さんのドラマもいいけれど…
まだ読んでない向田さんの書いた本を読んでみたいなと
今回の企画展であらためて思いました。
まずはやっぱり、「女の人差し指」を読んでみたいです(笑)
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whitered

向田邦子さん、生きていらっしゃったら、さぞ話題作をつぎつぎとお書きになったことでしょうね。テレビ版の『阿修羅の如く』を楽しみに観ていた記憶があります。志村ふくみさんの展示会も興味がありますね。こちらは、手が出ないで、ためいきばかり出るというところでしょうね。
by whitered (2008-05-30 21:47) 

ユキヲ

>whiteredさんへ
nice&コメントありがとうございます。
本当。向田さんが生きていたら…
もっともっとテレビドラマが変化していたんじゃないかと思います。
志村ふくみさんの展示会…
今回の個展は、端切れによるコラージュの作品がほとんどで
着物作品の展示は3点ほどでした。
でも、本で読んだ志村ふくみさんの作品がこうして自らの目で
鑑賞できたのは本当にうれしかったです。
渾身の作品の数々は
志村さんの人生を投影しているのではないかと思うほどの
味わい深い色と織で…本当に心を揺さぶられました。


by ユキヲ (2008-05-31 23:27) 

れお

この展覧会、見逃してしまったのがとても惜しいです。

向田邦子さんの作品は「思い出トランプ」(短編集)が初めて読んだものです。実は、その時は脚本家がメインというのを知らずに読んでいました。
エッセイを読んで「こんな素敵な生き方をした人が今でも生きていらしたら・・・」と思いましたね。短編も、何度も、今でも読み返しています。人の心を描くのが本当にうまいと思う。

「思い出トランプ」⇒「男どき 女どき」⇒「女の人差し指」と読んで、その後ようやくドラマの原作となった「阿修羅のごとく」などを読みました。

図書館には結構たくさんあるので是非ご覧になってください。


by れお (2008-06-01 00:13) 

ユキヲ

>れおさんへ
コメントありがとうございます。
そうですか…れおさんは、「思い出トランプ」が初めてだったんですね。
私は中学生の頃から毎年正月と終戦記念日前後に放送する
ドラマを母と一緒に見ていたので…
まさか向田さんがあんなに本を出版されているとは知らず…
文庫本などを読み始めたのは結構遅く二十歳前後でした(汗)
向田さんの人に対する観察眼には本当に驚かされます。
最近、身近な人に本を借りていることもあって
すっかり図書館がごぶさたで…
今読んでいる本を読み終えたら近所の図書館に出かけてみようと
思います(^^)
by ユキヲ (2008-06-01 10:39) 

nao

昨年、東京で開催されてたのを見に行きました!
直筆原稿や、俳優の方々の書簡が興味深かったですね〜。
向田さんの作品、小説もエッセイも
読み返すとまた違った感想が生まれるようで好きです。

ソフトバンクのCMが流れると、映像と関係なくあの曲で、
なんかしみじみしてしまうんですよね〜(^^)
by nao (2008-06-03 11:32) 

ユキヲ

>naoさんへ
nice&コメントありがとうございます。
そうだったんですね…東京でも開催されていたのですね。
そうそう、向田さんの作品は読み返すとその時の自分が
置かれた状況も深く関係してくるとは思うのですが…
20代で読んだ「阿修羅のごとく」と
30代の今読む「阿修羅のごとく」は
やはり共感する部分などが微妙に違いましたね。

私もソフトバンクのCMが流れるとしみじみしてしまいます。
特にあのお父さんの「同窓会編」

そうそう、会場内の物販コーナーでは向田邦子スペシャルドラマの
DVDが流れていたのですが…
ついつい、見入ってしまいました(^^;)
映像コーナーでは「寺内貫太郎一家」も…
なんとも贅沢な空間でした。
by ユキヲ (2008-06-03 13:02) 

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